夜よりも朝のほうが、頭が冴え、効率的ということで、いつもより1~2時間早起きして、朝の時間を仕事に家事に勉強に有効活用する人が増えているようです。夜型のスタイルに慣れてしまっていると、起床時間を早めるのはなかなか難しいものですが、この時期は、陽が早く昇り、空気も早朝は涼しいので、早起きを習慣化させるチャンスです。早起きのコツをつかみ、生活習慣や住まいの環境を見直してみませんか?
早起きをして、朝の時間を有効活用している人たちは、「一日が充実している」「ポジティブになった」「仕事の効率があがった」「資格をとってスキルアップ」など、効果を実感しているようです。では、なぜ、朝のほうが仕事の効率が上がるのでしょうか。その理由と、早起きを習慣化できるコツを探ってみましょう。
早朝のほうが仕事や家事がはかどる理由として、まずひとつに朝は頭がさえているということ。眠ることで一日の記憶が整理され、心身も休まるので、朝は頭がすっきりし、体も動きやすくなっています。そのため、夜の疲れた状態よりもリフレッシュした朝のほうがより集中力が増し、思考も前向きになるようです。 また、電話や来客がない早朝は、作業をストップされることが少ないため、集中して物事に取り組むことができるという利点も。それならば夜も同じでは?と思われるかもしれませんが、夜は急な用事が入ったり、仕事が長引いたりと、思うようにならないこともあるでしょう。その点、朝は自分だけの独立した時間を確保できるので、心にも余裕が生まれます。
朝早く起きて時間を有効に活用するためには、何より早めの就寝が大切です。睡眠時間を削ってまで早起きをしても、効率が悪く逆効果になることも。睡眠時間は、6時間半以上7時間半未満が最適とされ、それより短すぎても長すぎてもよくないといわれています。必要な睡眠時間は個人差があるので、目覚めたときの体調などをチェックして、自分に適した睡眠時間を見つけましょう。まずは必要な睡眠時間を確保したうえで、自分の生活スタイルに合わせて、朝起きる時間を決めていくのがよいでしょう。起きる時間から睡眠時間分さかのぼった時間が就寝の目安となります。
睡眠時間が確保できても、就寝時間や起床時間が毎日バラバラでは、生体リズムも崩れてしまう可能性があります。平日いくら早起きをしても休日に昼ころまで寝てしまっては、せっかくのサイクルが狂ってしまいます。「十分な睡眠をとる」ことに加え、「規則正しい生活を送る」ことが重要です。
起きたら太陽の光を浴びる
すっきり目覚めるために、起きたらまず窓を開け朝日を浴びましょう。人間の体内時計は25時間周期にセットされていますが、太陽の光を浴びることで、24時間に調整され目覚めを促します。さらに、眠気を誘う「メラトニン」というホルモンの分泌を抑えるので、目覚めがすっきりします。 朝日を浴びることで、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンが大量に分泌されるといわれています。朝型生活でポジティブになったと答えた方にはこうした作用が働いているのかもしれません。 朝日を浴びられないとき、たとえば曇りや雨の日、また日の出時刻より早く起きる場合は、まぶしいと感じる明るさの照明で代用できます。市販のタイマーコンセントを利用すると、起きたい時間に強い光が顔に当たるようにセットできます。朝日も照明も、いずれも15分以上光を浴びると効果的です。
コップ一杯の水分補給
目覚めに水分補給も忘れずに。寝ている間に大量の汗をかくため、起きたての体はカラカラの状態です。水分を補給し、体の内側からすっきり目覚めましょう。目覚めの一杯は、排泄を促す効果もあります。
熱めのシャワーを浴びる
40℃より熱いお湯は、交感神経を刺激するので、シャキッと目覚めたい朝は、42℃くらいの熱めのシャワーを3~5分浴びましょう。ペパーミントやジャスミン、ローズマリーなどの香りには覚醒効果があるので、シャンプーや石鹸に取り入れてみると爽快感がアップします。
朝食を食べる
朝食を食べないという人も多いようですが、効率のよい一日を送るために朝食は欠かせないものです。脳は一日の記憶を眠ることで整理しているため、睡眠中はかなりのエネルギーを消費します。エネルギーが不足したままでは脳の働きも鈍ってしまうもの。脳のエネルギー源となるのは炭水化物に含まれるブドウ糖です。朝食にごはんやパンを食べるのは理にかなっているのです。
アドバイス
早起きを始めて最初のうちは、昼間眠たくなってしまうかもしれません。無理に眠気を覚まそうとせず、15分程度の仮眠をとることで、その後の作業効率が上がるといわれています。ただし15分以上眠ってしまうと脳が仕事に戻りにくい状態になってしまうので要注意。