目のかゆみや、鼻水、くしゃみ......。つらい花粉症の症状に、日常的にできるケア方法を詳しく説明します。
まずは、花粉の侵入をブロックすることが重要です。花粉が目の表面につくと、かゆみや涙、充血などの症状が起こります。
・眼鏡やゴーグルなどで花粉が目に入らないようにする
特にゴーグルタイプは、花粉の侵入が少ないのでお勧めです。
最近はゴーグルタイプでもおしゃれなデザインがあります。
・コンタクトレンズはできれば避ける
コンタクトレンズは、結膜炎を悪化させたり、花粉が付着します。どうしても必要なら、使い捨てソフトコンタクトレンズの方がいいでしょう。詳しくは眼科で相談してください。
・花粉を洗い流すために顔を洗う
目の対策としては目の周りをしっかりと洗いましょう。
・花粉を洗い流すために目を洗いましょう
人工涙液を使って洗うのが効果的です。ただ、防腐剤入りの人工涙液は、安全性から頻回に使うのは避けたほうがいいでしょう。水道水でもいいのですが、安全性から頻回に使うのは避けたほうがいいでしょう。カップ式の洗浄液は、顔を洗ってから使ったほうがいいでしょう。というのも、皮膚についた花粉を目に入れることになるからです。
鼻に入る花粉をブロックすることが重要です。オーソドックスな方法ですが、まずはマスクを使うことが有効です。
・マスクをする
できれば使い捨てがオススメです。マスクにも花粉が付いているので、使い捨てだとそのまま花粉ごと捨てることができます。
・花粉を洗い流すために顔を洗いましょう
鼻の対策としては鼻の周り、特に鼻の下をしっかりと洗いましょう。
・鼻を洗う
市販の鼻洗浄液で洗いましょう。しかし、鼻の粘膜は敏感ですから、洗うのは少し辛いかもしれません。水道水は避け、できれば、生理食塩水(塩分0.9%)で洗浄すると痛みが少ないです。
様々な食材が花粉症にいい効果をもつと言われています。
まずはお茶。茶葉には、いろいろな成分が含まれています。
・タンニン(カテキン類)
・ビタミンC
・テアニン(アミノ酸)
・カフェイン
・ポリフェノール
など
特に共通して含まれているのがカテキンとビタミンです。特に、カテキンは、アレルギーを抑える作用があると言われています。
・甜茶(テンチャ)
中国南部を原産地として、バラ科キイチゴ属の植物です。甜とは、「甘い」という意味です。効果ですが、甜茶の成分、肥満細胞からのGODポリフェノールがヒスタミンの分泌を抑える作用があるといわれています。ヒスタミンは、花粉症の鼻水、くしゃみ、アトピーでの痒みの原因物質の1つです。
・グァバ茶(シジュウム)
熱帯アメリカを原産とし、日本では、温かい沖縄や九州南部で栽培されています。グァバは日本ではバンザクロやバンジロウと言ったり、中国では蕃石榴と呼ばれたり、また南米ではシジュウムと呼ばれます。葉にはビタミンB群や多量のタンニンなどが、果実にはビタミンC カルシウム、カリウム、鉄分が豊富に含まれています。花粉症予防や治療として効果があるといわれています。
・べにふうき緑茶
日本で、アッサム雑種の紅茶「べにほまれ」とダージリン系「枕Cd86」によって作られました。カテキン含量が多く、メチル化カテキンを多く含んでいます。メチル化カテキンは、茶の主要カテキンで、エピガロカテキンガレートがメチルエーテル化された物質です。肥満細胞のIgEに結合する部分を抑えること、ヒスタミンの放出の抑制によってアレルギーを抑えると報告されています。通年性アレルギー性鼻炎の患者にべにふうき緑茶を6ヶ月以上投与して、症状に改善が見られ、血液中のIgEと好酸球が減少したと報告されています。スギ花粉症でも、べにふうき緑茶を飲んでいる人と飲んでいない人を比較すると、スギに対するIgEと血液中の好酸球数は、スギの時期に、飲んでいない人では増加しましたが、飲んでいる人は変化しませんでした。
もちろん、「茶」の効果は個人差が大きいので、注意してください。
お茶の他に注目されているものとして、乳酸菌があります。
アレルギーのメカニズムで、今まで、乳酸菌は、IgEを抑えたり、アレルギーを抑える「Th1」の働きを強めていたという報告がありました。さらに、マウス実験において、乳酸菌はアレルギーを起こす「Th2」の働きを抑えたという報告がありました。この報告によって、乳酸菌が、「Th1」を増強して、「Th2」を抑制して、IgEを抑えてアレルギーを抑える仕組みが判明しました。様々な乳酸菌が花粉症に効果があると言われています。
また、食物繊維を含むバランスのよい食事が腸内環境を整えてくれます。規則正しい生活することで、普段から体調には気を付けておきたいものです。身近な食材が治療のひとつになりうる、医食同源から試してみてもいいかもしれません。
体調がよくないと、花粉症の症状は悪化しますし、花粉症の症状が悪化すれば、体調を崩すことにもなります。
セルフケアでも症状が治まらない場合は、病院での花粉症治療を。
早期に治療をすることで、ツライ花粉症の症状を軽減することができます。
この記事の担当ガイド | |
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家庭の医学 ガイド
清益 功浩
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法律、経済など多くの資格をもつ現役のアレルギー・小児科医師。医学博士。日本小児科学会認定専門医、日本アレルギー学会認定専門医・指導医。他にも、メンタルヘルスマネジメント始め、法律、経済、化学などについて多岐に渡る資格を有しています。現役医師として多くの方に正確な情報を提供し、診察室以外でも困っている方の手助けをしていきたいと考えております。
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