掃除頻度を減らす4つのインテリアの工夫

忙しいとつい後回しになってしまう「お掃除」。時間がない人は、インテリアの工夫をちょっとしてみると、掃除の頻度がグンと少なくて済むように。忙しくても快適に過ごすためのインテリアの工夫ポイントを4つお届けします。



家事の中でも優先順位が低い「掃除」

201610_001.jpg家族のお腹がすけば、時間がない中でもなんとかキッチンに立たなくてはなりません。洗濯しなければ着るものがなくなるから、疲れていても洗濯機を回します。でも、ほこりや汚れが多少あっても、なんとか暮らしていくことはできます。掃除は、優先順位が後回しになりがちな家事なのです。

このため、忙しい生活が続くと、どうしても家の中は荒れて汚れてしまいます。もう、これは仕方のないこと。ただ、汚れた部屋で暮らしていると、気持ちがなかなか上向きになりません。忙しくてもさっぱりと暮らしたいなら、掃除の頻度が少なくてもきれいに見えるインテリアの工夫をしてみることも、大切な家事の知恵なのではないでしょうか。

掃除の頻度を減らすインテリアを考えるポイントは、「ほこりポイントのリストラ」「ほこり溜りを作らない素材」「汚れが目立たない色」「汚れる場所は分割」。次の4つの項目の、できるところから取り組んでみてはどうでしょう。

  1. ほこりポイントをリストラする
  2. ほこり溜りを作らない素材をセレクトする
  3. 汚れが目立たない色でカバーする
  4. 汚れる場所は分割する



掃除頻度を減らすインテリアのポイント、最初の2つは「ほこりポイント」と「素材」です。

ポイント1 ほこりポイントをリストラする

201610_002.jpg家の中にはほこりがたまりやすい「ほこりポイント」があります。せっせとためて掃除を繰り返すより、最初からほこりポイントを作らないインテリアを作っておくことで、掃除頻度は減ります。



たとえば上の写真のような家具のデザイン、配置では隙間にどうしてもほこりが溜まります。家具を選ぶときは、なるべく下の写真のように隙間がないものを選んで。ソファやベッドも、床面との間に隙間がないものを選ぶか、逆に掃除機やほうき、フロアモップが本体を移動させなくても届く空間が確保できるものを選びましょう。




201610_003.jpgまた、掃除の労力を減らすためにも、なるべくフラットな面を広く確保するインテリアづくりを。たとえば洗面所のカウンターの上など、歯ブラシスタンドや化粧品を並べてしまうと、掃除をするたびに移動せねばならず、手間がかかります。こうしたものは壁付けにしてフラット面を広く確保した上で、その場に掃除道具を配置しておくことで、気づいたときに一拭きできれいにすることができるのです。

キッチンカウンターの上は特に、棚やラックを利用してこうしたフラット面を広く確保するような物の置き方をするように工夫しましょう。

 



ポイント2 ほこり溜りを作らない素材をセレクトする

201610_004.jpg床材や家具を選ぶときは、汚れやほこりを掃除しやすい素材を選ぶのも大事ですが、多少汚れても目立たない素材を選ぶのも大切。「汚れている」状態が目に入ると、どうしても「掃除ができていない」ことに目が向いてしまいがちだからです。

たとえば、最近のインテリアで主流となっているフローリングの床は、表面がなめらかすぎて小さな風でもほこりが舞ってしまいます。このため、朝に掃除機をかけても夕方には部屋の隅にほこりが集まって、ほこり溜りができがち。

写真はガイドの居間の床に敷いてあるコルクタイル素材の床材。多少の凹凸があるこうした素材のほうが、ほこりが舞い飛びにくく、ほこり溜りができにくいのです。また、ペットや子どもがすべる心配もないので安心です。最近はDIYであとから貼れるコルクタイルもありますので、ほこり溜りが気になる人はリフォームを検討してみるのも手。

家具も、なるべく汚れが目立ちにくい素材を選んで、多少のほこりや汚れは気にせず暮らすことも忙しい人には大切なのではないでしょうか。



掃除頻度を下げたいなら、インテリアの色はとても大事な要素。汚れやすい場所は分割することで、掃除の手間を減らします。

ポイント3 汚れが目立たない色でカバーする

201610_005.jpgリフォームが難しい場合は、汚れが目立たない色でカバーしてみましょう。上の写真はガイド宅でテレビが置いてある飾り棚。本来は濃い色の木目調のデザインですが、このままでは2、3日でほこりが目立つようになってしまいます。視線が集まる場所なので、埃を貯めたままだと部屋全体が薄汚れた印象に。

そこでマットな質感の白いインテリアタイルを上に敷き詰めてみました。これなら、多少ほこりが溜まっても、気になりません。日々の掃除は、ほこりが目立つ液晶テレビの部分だけ行い、余裕がある日に、タイルの上に溜まったほこりはハンディタイプのほこり取りでさっとお掃除。





201610_006.jpgダイニングテーブルも指紋が目立ちやすい素材だったので、バリ島で買った濃い柄色の布でカバーしてあります。多少の汚れはカバーが受け止めてくれるので、たまにこれを洗濯機で洗うだけ。食事の時間は個別のプラスチック素材のランチョンマットを敷くことで汚れは最小限に。

このように、汚れやすい場所は小さくパーツに分けてみるのもコツ。最後のポイントは「分割」です。



 

ポイント4 汚れる場所は分割する

201610_007.jpg上記でも触れたように、ダイニングテーブルの上で一番汚れるのは、各自が食事をする椅子の前の場所です。布製のランチョンマットは洗濯の手間が増えてしまうので、パウチやプラスチックなど拭くだけで汚れが落ちる素材のランチョンマットを食事の際に利用してみましょう。指紋や食材の汚れがテーブルに残りにくくなるだけでなく、時間がないときはテーブル全体を拭かなくても、ランチョンマットだけを拭けばよくなります。

このように、面積が広く汚れがたまりやすい場所は、パーツに分割して、汚れた場所だけをパーツごとにそうじすればよい仕組みを作ってみましょう。





201610_008.jpgたとえば冷蔵庫も、写真のようにトレー収納にしておくと、汚れたトレーだけを取り出して洗えばよいのでラク。食品庫やカトラリー入れも、トレーやボックスで分割して取り出せるようにしておくと、限られた時間内でも、狭い面積だけ掃除に取り組めるので、気がラクになりますよ。



忙しくてもさっぱりきれいに暮らしたい! そのために掃除を頑張ることも大事ですが、一日の時間と気力・体力は限られています。ちょっとしんどいなと思う日でも、心地よく暮らすためには、多少の汚れに目をつぶれて、小さくそうじに取り組める環境を作っておくのも大切なこと。掃除頻度を下げるインテリアの工夫をして、毎日を元気に暮らしていきたいものですね。

 


この記事の担当ガイド

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時短生活 ガイド 

ももせ いづみ

 

生活コラムニスト。子育てをしながらフルタイムやフリーランスで働いてきた経験をもとに、忙しくてもすっきりと豊かに暮らすアイデアを発信し続けている。豊富なアイデアは男女、年代を問わず支持されており、メディア取材や本の執筆、各種コンテストの審査員や政府の審議委員などで幅広く活躍中。

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