これぞ絶景! 全国紅葉スポット12選

秋の絶景と言えば、やはり紅葉です。ここでは全国の紅葉スポットの中でも、写真を見ただけで「特別な絶景だ!」と感じさせてくれる紅葉名所を、厳選に厳選を重ねて紹介します。たとえ有名で無くても、景色さえ絶景なら取り上げて紹介するので、いわば紅葉スポットの殿堂です!



もみじ湖(箕輪ダム) 【長野県箕輪町】

10_001.jpg最初に紹介するのは、紅葉大国信州の中でも、かなり穴場の紅葉スポットです。平成4年に完成した箕輪ダム周辺には、一万本とも言われるもみじが植えられ、もみじ湖と呼ばれます。しかし、非常にマイナーなのでネットで検索しても箕輪ダムばかり表示されてしまうほど。同じ場所なので、箕輪ダムを目指して行っても間違いではありません。ともかく写真の通り、紅葉の最盛期には猛烈な絶景に出会う事が出来ます!

箕輪町は不思議な所で、町の公園で7月下旬から9月上旬まで行なわれるイルミネーションも、無料にもかかわらず度肝を抜かれる程の本格派なのです。紅葉のイルミネーションが展示された年もありました。ともかく、紅葉とイルミネーションに関しては信州はもちろん、日本でも有数の名所であり、旅行好きならぜひとも覚えておきたい町です。

■もみじ湖(箕輪ダム) データ
・所在地:長野県上伊那郡箕輪町長岡新田
・紅葉時期の目安:10月下旬~11月上旬
・駐車場:あり(無料)
・ライトアップ:なし



長福寺の大銀杏ともみじ 【長野県池田町】

10_002.jpg次に紹介するのも、紅葉大国信州の中から、池田町の長福寺です。長福寺は大銀杏(いちょう)で知られるのですが、樹齢100年以上のもみじの古木も並んでおり、赤と黄色のコントラストが美しい紅葉スポットです。紅葉よりも銀杏が先に散り始めるのですが、写真の通り敷もみじならぬ、敷銀杏が形成され一層絶景になるのです。

実は、池田町にはこうした紅葉の銘木が多く、近年特に有名なのが一本の木なのに七色に色付く、大峰高原の七色大カエデ。これは本当に必見の紅葉です。2013年は害虫の影響で色付きが極端に悪かったのですが、2014年は順調に色付いて来ました。なお池田町には他に成就院にも大銀杏がありますが、こちらは11月に入ってから色付きます。

■長福寺の大銀杏ともみじ データ
・所在地:長野県北安曇郡池田町大字会染3011
・紅葉時期の目安:10月下旬~11月上旬
・駐車場:あり(無料)
・ライトアップ:あり(予定)



竜ヶ沢湖(竜ヶ沢ダム) 【長野県上田市】

10_003.jpgこちらも紅葉大国信州の中から、また穴場だと思いますが竜ヶ沢湖の水鏡です。紅葉を湖水に鏡のように写して見る「水鏡」の名所は全国にあり、長野では戸隠にその名もズバリ、鏡池があります。他に全国的に有名なものとしては、青森県の蔦沼や、福井県の刈込池があります。

一方、一般的なガイドブックでは全然紹介されない水鏡の名所としては、福島県の裏磐梯の曲沢沼があり、知る人ぞ知る紅葉スポットになっています。この竜ヶ沢湖はさらに無名で、長野県の紅葉スポットを網羅した公式観光サイトにも、手前の巣栗渓谷しか掲載されていない程です。

■竜ヶ沢湖(竜ヶ沢ダム) データ
・所在地:長野県上田市武石上本入巣栗
・紅葉時期の目安:10月中旬~11月初頭
・駐車場:あり(無料)
・ライトアップ:なし



帝釈峡 【広島県庄原市ほか】

10_004.jpg西日本を代表する紅葉名所が広島県の帝釈峡です。帝釈峡は奇妙な形をした様々な岩が連続している上帝釈峡と、美しい龍神湖の紅葉を遊覧船から眺める下帝釈峡の大きく二箇所に分かれ、二つの市町に及んでいます。

中でも上帝釈峡を代表する景観が、写真の雄橋(おんばし)です。全長90m、高さ40mの岩盤の下を川が侵食して貫通しており、天然の巨大な橋(自然橋)になっており、日本一の規模を誇ります。

■帝釈峡 データ
・所在地:広島県庄原市東城町帝釈、神石郡神石高原町永野
・紅葉時期の目安:10月下旬~11月上旬
・駐車場:あり(有料)
・ライトアップ:なし



国営昭和記念公園 【東京都立川市ほか】

10_005.jpg黄葉を中心とした絶景の紅葉スポットとして名高いのが、東京都の国営昭和記念公園です。その名の通り「黄葉&紅葉まつり」が11月に行われ、2014年は日本初インフォラータという、花びらを敷き詰めて描くアートも登場予定です。

中でも絶景なのが、写真のカナ-ルと呼ばれるエリア。全長200mの水路に大小5つの噴水と、整然と敷きつめられた舗石と樹木が織り成す様式美は、もはや日本とは思えず欧州の庭園のような風格さえ漂います。カナ-ルは「立川口」と呼ばれる入場口近くにあります。

■国営昭和記念公園 データ
・所在地:東京都立川市及び昭島市
・紅葉時期の目安:11月上旬~11月下旬
・駐車場:あり(有料、他に入園料大人410円)
・ライトアップ:なし



国営ひたち海浜公園 【茨城県ひたちなか市】

10_006.jpgもう一箇所、国営公園を紹介します。全国にある国営公園の多くが、絶好の絶景スポットである事が多いのです。茨城県にある国営ひたち海浜公園も例外ではありません。秋には「みはらしの丘」と呼ばれるエリアが、写真の通り一面のコキア(ほうき草)の紅葉で彩られ、まさに絶景!今や花貫渓谷や袋田の滝と並び、茨城県を代表する紅葉スポットの一つになっています。

実は「みはらしの丘」は、GW頃には日本一と言われる規模の青いネモフィラの花で辺り一面が埋め尽くされ、まるで丘が海になってしまったような奇跡的な絶景。特に晴天時の青空とマッチした美しさは、この世の景色とは思えない程ですが、言葉では到底伝わらないので上記で関連記事にリンクしましたので参照願います。この様子を知っていると、秋の紅葉の景観はまるで別世界で、一層心に染みるのです。

■国営ひたち海浜公園 データ
・所在地:茨城県ひたちなか市馬渡字大沼605-4
・紅葉時期の目安:10月上旬~10月中旬
・駐車場:あり(有料、他に入園料大人410円)
・ライトアップ:なし



穂高・涸沢 【長野県松本市】

10_007.jpg紅葉が最高に美しい場所は、やはり標高が高い山岳地帯になります。そして、日本を代表する山岳紅葉の名所と言えば、涸沢です。標高が高い所には背の高い樹木は生えないので、山が一面紅葉に包まれる訳ではありませんが、険しく無機質な岩壁にナナカマドやダケカンバの紅葉が実に映えます。

写真で見る分には素晴らしいのですが、実際には山の天気は変り易いので、好条件下で堪能するのは至難の業。先日もテレビの旅番組に登場していましたが、一面の濃霧で何も見えない状態でした。しかし、山登りも含めて困難が伴うからこそ、一層の達成感もあると言える場所です。

■穂高・涸沢 データ
・所在地:長野県松本市安曇上高地
・紅葉時期の目安:9月下旬~10月上旬
・駐車場:沢渡地区にあり(有料、そこから路線バス、またはタクシー利用)
・ライトアップ:なし



上高地・大正池 【長野県松本市】

10_008.jpg上記の涸沢への出発点となるのが上高地。尾瀬や立山と並んで日本を代表する山岳観光地ですから、本当に風光明媚で至る所が絶景です。そこに紅葉が加わるのですから、これ以上の絶景はなかなか無いと言えます。中でも雄大な眺めが楽しめる大正池は、路線バスの大正池バス停で降りれば、歩かずに到着出来ます。

大正池から著名な観光スポットの河童橋まで、徒歩約一時間かかりますが、平坦な道を景色を楽しみながら散策可能。テレビの旅番組を見ても、終点の上高地バスターミナルまで行かずに大正池バス停で降りて歩いて行く事が多く、定番でありゴールデンコースと言えます。

■上高地・大正池 データ
・所在地:長野県松本市安曇上高地
・紅葉時期の目安:10月中旬~10月下旬
・駐車場:沢渡地区にあり(有料、そこから路線バス、またはタクシー利用)
・ライトアップ:なし



高瀬渓谷(龍神湖) 【長野県大町市】

10_009.jpgもう一箇所、北アルプス周辺の絶景の紅葉スポットとして、高瀬渓谷を紹介します。温泉好きな人には葛温泉がある場所と言った方が馴染みがあるかもしれません。渓谷には葛温泉があるだけでなく、ずっと上流の源流部には湯俣温泉という歩いてしか行けない秘湯があり、その硫黄泉の温泉が川に流れ込んでいるので、川の水が絵の具の水色を解かせて混ぜたような、非現実的な色をしており、そこに赤や黄色の紅葉が非常に映えるのです。

絵の具のような綺麗な水色が魅力の龍神湖ですが、降水量や気象条件、太陽光線の角度などにより、青の中でも緑かかって見えたり、黄色かかって見えたり変動があります。写真ではやや黄色かかって見えますが、絵の具のような綺麗な水色の日には、本当に驚いてしまいます。

同じ長野県の阿寺渓谷や付近の柿其渓谷では、阿寺ブルー等と呼ばれる青色透明の川の色が綺麗で、同様に紅葉が映えるのですが、高瀬渓谷の白濁混じりの水色の印象は一段と強く、唯一無二の紅葉スポットとしてお勧めです。

なお、龍神湖の周辺は道路が湖の北側を通っているので、肉眼で見る分には問題ありませんが、撮影目的だと尾入沢大橋から見る渓谷の紅葉以外では、常に南にカメラを向ける事になり、晴天時は逆光になるので、むしろ曇天時や日の出日の入り前後がおすすめです。

■高瀬渓谷(龍神湖) 
データ
・所在地:長野県大町市平
・紅葉時期の目安:10月下旬~11月上旬
・駐車場:あり(無料)
・ライトアップ:なし



明治神宮外苑銀杏並木 【東京都港区ほか】

10_010.jpg最後は東京から比較的近い、絶景の紅葉スポットを紹介します。まずは、明治神宮外苑です。ここは黄色い銀杏(いちょう)並木で有名で、六義園の紅葉とともに、都内屈指の紅葉(黄葉)スポットになっています。

黄色の色合いが美しいだけでなく、非常に美しい円錐形をしているのが不思議ですが、もちろん、自然の造詣ではありません。冬場に4年に一回、この形状に剪定して維持しているのです。手軽に行ける人気の名所なので、人が多くなかなか良い写真が写せませんが、この写真のように思い切って下部をカットしてしまうのも、手だと思います。

■明治神宮外苑銀杏並木 データ
・所在地:東京都港区北青山1,2丁目(銀杏並木)、新宿区霞ヶ丘町
・紅葉時期の目安:11月下旬~12月上旬
・駐車場:あり(有料)
・ライトアップ:なし



長瀞月の石もみじ公園 【埼玉県長瀞町】

10_011.jpg埼玉県の長瀞は素晴らしい渓谷美が通年楽しめる観光名所ですが、そこに紅葉が加わるのですから、埼玉を代表する紅葉スポットの一つになっています。大規模な自然が魅力の紅葉スポットは、その大規模さの反面、ライトアップ等が難しいという側面もありますが、長瀞では月の石もみじ公園で紅葉ライトアップが楽しめます。昼と夜の二種類の表情を一箇所の観光地で楽しめる、非常に優れた紅葉スポットです。

今回ここを取り上げたのは、夜の紅葉ライトアップの素晴らしさを説明したかったから。過去に一度も紅葉ライトアップを見た事がないという方は、何処の紅葉ライトアップでもいいので、今年こそぜひ見て頂きたいと思います。一度見れば、紅葉ライトアップの素晴らしさに、すっかりファンになるに違いありません。

紅葉ライトアップの素晴らしさは多岐に渡りますが端的に言うと、昼間の紅葉は太陽に照らされて光り輝いた時が一番美しいものですが、紅葉ライトアップなら照明で照らされて光輝くので、天候に左右されずに常に美しいのです。しかも、夜目遠目笠の内といいますが、私は「紅葉ライトアップは七難隠す」と常々思います。紅葉の見頃の時期より早過ぎて青葉が多かったり、遅過ぎて色褪せた上に結構散り始めていても、紅葉ライトアップなら不思議と十分綺麗に見えるのです。これは紅葉ライトアップを見た事がある方なら、実感を持って理解して頂けると思います。

■長瀞月の石もみじ公園 データ
・所在地:埼玉県長瀞町大字長瀞
・紅葉時期の目安:11月中旬~11月下旬
・駐車場:あり(無料と有料)
・ライトアップ:あり



河口湖北岸(もみじ回廊) 【山梨県富士河口湖町】

10_012.jpg最後は、山梨県の河口湖北岸を紹介します。その理由は写真でも分かる通り、世界遺産の富士山と紅葉のコラボレーションの素晴らしさです。やっぱり富士山があると歴然と絶景に感じます。しかも、美しい河口湖も望めるので、どんなに褒めても褒め過ぎにならない程の素晴らしさです。湖畔の紅葉スポットとしては、産屋ヶ崎長崎鼻が特に有名です。

付近には「もみじ回廊」や「もみじトンネル」と呼ばれる紅葉並木の紅葉スポットもあります。特に「もみじ回廊」は夜には紅葉ライトアップが行われ、猛烈な美しさ。しかも、「もみじ回廊」は紅葉祭り期間中は無料の大駐車場もオープンし、極めて著名な紅葉スポットでありながら大変気軽に立ち寄る事が出来ます。ただし、晩秋の河口湖は夜間は冷え込むので、夜間は防寒着や手袋、カイロが必須です。

■河口湖北岸(もみじ回廊) データ
・所在地:山梨県南都留郡富士河口湖町河口
・紅葉時期の目安:11月上旬~11月中旬
・駐車場:あり(無料)
・ライトアップ:あり

 

 

 

この記事の担当ガイド

guide-170-210-260.gif

温泉 ガイド 

藤田 聡

ふじた さとし 

「温泉旅行博士」の称号を持つガイドが、全国の温泉をご案内します!
オールアバウト「紅葉スポット」のガイドに就任しました。

 

All About