初夏の光と風を暮らしに活かす

陽射しも風も木々の緑も、一段と輝きを放ち、気分も軽やかな季節。

初夏の薫りは、毎日に新鮮な気持ちと心のゆとりを運んでくれます。

光と風、そして自然を取り込む爽やかな暮らしを楽しみませんか。

陽射しは日ごとにまぶしくなり、木々の緑も一段と輝きを増し、やわらかな風は爽やかな初夏の薫りを運んできます。自然を感じる暮らしは、五感に刺激を与え、毎日の生活の中に大きなゆとりを育んでくれます。寒い季節に閉め切っていた窓を開け、まずは身近な所から、爽快な自然を楽しむ暮らしに変えてみませんか。

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暮らしの中に自然を取り込む楽しさと歓び、そしてその楽しみ方について、ライフコーディネーターの大木敦子さんにお聞きしました。

プロフィール
ライフコーディネーター。雑誌、テレビ広告など多彩なメディアで、住まいからファッション、インテリア、料理まで、新しい暮らしのスタイリング提案をしている。

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季節を楽しみながら、心地よい暮らしを考える

また地窓、高窓、天窓などさまざまな窓を設けて風通しを工夫したり、土壁で室内の湿気を調節してきたのは、高温多湿の日本の気候風土を快適に過ごす知恵と言えるでしょう。住まいで言えば、伝統的な日本の家に見られる深い軒や長い庇には、夏の陽射しを遮る一方、冬の陽射しを室内に取り込めるように計算が施されています。自然を暮らしに活かす工夫。それぞれの季節を快適に過ごすための知恵。それは私たち日本人の生活の中に今も活かされていることでわかります。

そして南側の庭に落葉樹を植えるのは、夏は木陰を作り冬は暖かい陽射しを通す工夫。涼しい風を呼び込む打ち水。耳から涼しさを感じる風鈴。風を通しながら陽射しを遮る簾(すだれ)があります。こうした知恵は、自然の移り変わりを楽しむ余裕とも感じられます。先人に学びながら、今の暮らしに自然を活かす工夫をご紹介しましょう。

涼しい風は通し、陽射しや視線を遮ってくれる簾。日本の暮らしの中から生まれた知恵のひとつです

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自然の光や風、グリーンと暮らすリビングライ

天気のいい日は、部屋からテラスやデッキなどに出て、自然の空気の中で過ごしてみましょう。爽やかなこの季節ならではの楽しみ方です。光や風に抱かれながら本を読んだり手紙を書いたり、家族や友人とお茶やランチを楽しむのも素敵です。風にそよぐ緑を眺め、小鳥の声に耳を澄まし、優しい陽射しのなかで過ごす時間は、いつもと違う快適さを運んできてくれるでしょう。

 

やわらかな陽射しの中、お気に入りの椅子に座りながら初夏のひと時を過ごす。庭からの風を感じながら、読書、音楽を楽しむ。新緑をただ眺めているだけでも素敵です。


テラスで森林浴を楽しむ

庭やテラスでは、樹木を育てることをお勧めします。葉から出る水蒸気が空気を冷やしてくれ、ひんやりした気持いい風を連れてきてくれます。陽射しが気になるようなら、パラソルやオーニングはいかがでしょうか。風を通しながら陽射しを遮ります。

庭やテラスの樹木は陽射しを遮ることで涼しい空間をつくります。木陰からの風は気持よいものです。

グリーンと光のインテリア

グリーンを飾るなら、新緑の枝木やモンステラ、アビスなど観葉植物の葉だけを大胆に生ける方法もあります。青系のガラス花器を使えば、見た目も涼し気です。初夏の光を反射させ、テーブル上に光と影が織りなす美しいシーンを作ってくれます

 

容器の色で、気持ち、そしてお部屋全体の雰囲気も変わります。青系のガラスは見た目も涼し気です。

ファブリックで季節を演出

風に揺れるレースのカーテンやリネンのカバーに変えたクッション、またフローリングに敷く自然素材のラグなど爽やかなインテリアで季節を表現することも、暮らしに心地よさを広げてくれます。


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ソファーやクッションのカバーをリネンにしてみましょう。見た目にも涼しく、素肌にも柔らかです。

 

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レースのカーテンは、初夏の風と光を室内に優しく伝えてくれます。

 

暮らしに涼しさと楽しさを演出する小物たち。

初夏のリビングやアウトリビングにあると嬉しい、お洒落なインテリアです。そこにあるだけで、涼しさと楽しさにあふれた空間が生まれます。自然を自由に遊ぶという感覚で、爽やかな季節を楽しんでみませんか。


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デッキやテラスに欲しい、モダンなテーブルとチェア。シンプルな形とカラフルな色合いがお洒落です

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風に揺れるような白いドレープが美しいサイドテーブルです。窓辺に置くとグリーンを鮮やかに引き立ててくれます。

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花が宙に浮いているような感覚を覚える、ポリエチレンを素材としたユニークな花器です。生けられた花が、風や光と遊んでいるように見えます。

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紙の束の一方を糊付けし、もう一方を360度に広げた斬新なデザインの花器です。花を活けるたびに、作品づくりをしているような感覚になるかもしれません。

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ニューヨークのデザイナーズグループ、Smartdesignの作品です。造形的な面白さと、使いやすい小さめサイズはドライフルーツやナッツを盛ったり、ちょっとしたパーティにも重宝します。

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横糸にリネン、縦糸にコットンを使用したスリッパです。柔軟性に優れ、肌触りの気持よさも申し分ありません。速乾性にも優れているので、洗ってもすぐに乾きます。

風が通る爽やかなリビング。

リビングにも、初夏の爽やかな光と風を迎え入れてください。ただ窓を1ケ所開けるだけでは風が通りません。対面、対角にある窓も開け、風の通り道を作りましょう。風の流れを遮る家具がある場合は、置く位置を考えてみましょう。陽射し対策には、簾やスクリーンなどをお勧めします。風は通し、陽射しや視線を遮ってくれるばかりではなく、お洒落なインテリアにもなります。最近では、和洋室を問わずに使えるモダンな簾やウッドスクリーンなどが市販されています。

ほんのわずかな空気の流れにも敏感に反応し、独特の動きを見せるモビール。今では様々なデザインや素材のものが揃っていて、子どもから大人まで幅広く楽しめるインテリアの一つになっていますが、その起源は、彫刻の新分野として考えられた芸術作品でした。

北欧では出産祝いとしてプレゼントすることも多いモビール。風に揺らぐその絶妙な動きに癒しの効果があり、人の心に落ち着きをもたらすといいます。

動きを見てるだけでも楽しいのですが、暗くした部屋の中に揺らぐモビールに懐中電灯などで光をあて、いつもとは違う幻想的な雰囲気を味わう楽しみ方もあります。

風に揺らぐモビールは、この季節を楽しむインテリアの一つです。ゆったり寛ぐ時間が、気持ちを穏やかにかえてくれます。

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