夏を乗り切る、手づくり生ジュース

不足しがちな野菜や果物を効果的に補ってくれる、手づくりの生ジュース。健康や美容にいいことはもちろん、夏の食生活を美味しく楽しいものにしてくれます。そんな生ジュースのおいしい作り方を紹介します。

 

体に足りないものをジュースで補いましょう

気になっていても、つい不足がちになってしまう野菜と果物。特に若い人やお子様の摂取不足が目立ちます。バランスのとれた食事には、成人一日約350グラムの野菜と約200グラムの果物をとる必要があるといわれています。野菜や果物には、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれ、免疫力を高めたり、生活習慣病の予防に効果的です。

一日に必要な野菜や果物をそのまま食べるのは大変ですが、生ジュースなら簡単です。そのうえ手間をかけずに作れ、素材によって疲れや美肌づくりに効果があります。本格的な夏に向かうこれから。生ジュースで、野菜や果物不足を解消しましょう。

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今回は、美容と健康に効果的な生ジュースについて、栄養士の松尾みゆきさんにお話をうかがいました。

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プロフィール
管理栄養士、料理研究家。食全般のコーディネーターとして、本や雑誌、広告で活躍中。著書に「フレッシュジュース」(主婦の友社)「子どものヘルシーおやつ」(PHP研究所)など。

新鮮で旬な素材で、できたてを飲むこと。

手軽に作れ、素材の組合せも多彩な生ジュース。その作り方にはいくつかの基本があります。覚えておくと便利なポイントをプロセスごとにご紹介します。

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生ジュースの素材は、新鮮で熟した素材を選んでください。美味しく栄養素が多く含まれています。柑橘類の熟し過ぎは、変色し味が変わっている場合がありますので使わないようにします。

まずは鮮度のいい素材を使うこと。野菜も果物も時間が経つにつれ、味や栄養価が落ちてきます。素材は作る前に冷やしておくと、飲みやすくなります。2種類以上の素材の組合わせる場合は、トマトと赤ピーマン、セロリとキウイフルーツなど、同系色のものをミックスすると見た目にもきれいにでき上がります。

 

 

 

おいしく作る基本は、酸味・甘味・分量のバランスです。何回か作りながらお好きな味を見つけていきましょう。マイルドにしたい時は乳製品を、野菜の苦みを消したい時はレモン汁を少し加えます。

手づくり生ジュースはできたてを飲むことを心がけてください。時間が経つと酸化が進み、栄養価も下がってしまいます。

効率的な組合わせ方で夏バテ解消!

野菜や果物の栄養素を丸ごと効率よくとれる生ジュース。夏疲れで元気がないとき、お肌のトラブル予防に。美味しさも満足で、体調などに合わせて選べる、その効果と組合わせ方をご紹介しましょう。

夏バテを防ぐためには、キュウリやスイカを使ったジュースがおすすめです。たくさん汗をかく季節、ウリ科の素材は、失ったカリウムを補給し疲れを癒してくれます。キュウリは、夏の暑さで体内にこもった熱を取り、利尿作用も促します。グレープフルーツなど酸味のある柑橘系の果物をベース素材にすると、食欲増進にもつながります。

水分不足は便秘の原因にもなりがちですが、そんな時は枝豆やキウイフルーツとヨーグルトを合わせたジュースはいかがでしょう。食物繊維や乳酸菌が整腸作用を促し腸内に善玉菌を増やしてくれます。

冷房などで乾燥しがちな肌のためには、アボカドやそら豆など、肌の主成分であるたんぱく質、新陳代謝を促すビタミンB群が豊富な素材がお勧めです。そして、紫外線対策にいいのが、トマトやスイカなど赤色素材のジュースです。赤い色素リコピンが、肌の老化原因となる活性酸素を取り除き美肌づくりを助けてくれます。また、β―カロテンやビタミンC、Eが豊富なカボチャとオレンジのジュースは、張りのある肌をつくり、シミの元となるメラニン色素の生成を抑えてくれます。

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トマトと赤パプリカのジュース。ビタミンC、Eとリコピンには美肌効果があります。

 

 

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β-カロテンが豊富なニンジンとりんごのジュース。潤いのある肌をつくります。

 

 

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オレンジジュース。甘みと酸味がバランスよく取れたオレンジは保湿力を高めます。

 

 

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苦瓜とパインのジュース。ビタミンCが多い苦瓜は、夏バテ予防にぴったりです。

 

 

 

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マンゴーヨーグルトジュース。β-カロテン、ビタミンCが豊富で老化防止効果が期待できます。

 

 

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ブルーベリーのジュース。眼精疲労に効果のあるアントシアニンが豊富に含まれています。

 

 

 

フルーツやフレーバーで飲みやすく

野菜嫌いのお子様にも生ジュースは効果的です。嫌いな野菜でも、バナナジュースの中に細かく切って混ぜ合わせれば、気にせず美味しく飲むことができるでしょう。

ジュースに甘さが足りないときは、蜂蜜、メープルシロップ、オリゴ糖などの甘味料を少し加えると飲みやすくなります。ココア、シナモンパウダー、きな粉など、ほんのり甘いフレーバーを入れるのも、美味しさをプラスするトッピングにおすすめです。バリエーションも限りなく広がってお子様にも人気のおやつに。

野菜や果物の生ジュースを製氷皿などに入れ冷凍庫で冷やすだけで、オリジナルのアイスキューブができあがります。レモンやブルーベリーなどの果物を小さく切りアイスに入れたまま氷らせるのもお洒落な演出です。見た目も楽しく、食べても美味しいデザートになります。そのまま生ジュースの中に入れれば、ジュースが薄まることなく冷えた状態で飲むことができます。

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お肌にも身体にもおすすめです!

夏を元気に乗り切るために、野菜と果実をベースにしたジュースはいかがですか。疲れや紫外線が気になる季節に、ぜひお試しいただきたい一杯をご紹介します。水分不足を補う時にも素早く作れる生ジュース。ご家族でお楽しみください。

粘膜を強くしウイルスの浸入を防止するビタミンAと免疫力をアップするビタミンCを多く含むかぼちゃに豆乳を加えたヘルシージュースです。

材料(1人分)

かぼちゃ...100g 無調整豆乳...100ml メープルシロップ...小さじ2

作り方

1. かぼちゃは種を取り、一口サイズに切って耐熱皿に入れ、ラップをかけて電子レンジ(600W)で2分加熱する。
2. かぼちゃのあら熱がとれたら、すべての材料をミキサーにかける。

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弱った胃腸の粘膜を修復し、胃腸の元気を取りもどすビタミンUをたっぷり含んだキャベツ入りのすっきりジュースです。

材料(1人分)

キャベツ...1枚(約50g) りんご...1/2個(約100g) 青しそ...3枚 レモン...1/2個 水...50ml

作り方

1. キャベツと青しそはひと口サイズに切る。りんごは皮と種を取り除き、一口サイズに切る。レモンはスクイーザーでしぼる。
2. すべての材料をミキサーにかける。

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夏バテや疲れを取り除くクエン酸の入ったグレープフルーツと即効性のエネルギーをもつバナナを合わせた甘酸っぱいジュースです。

材料(1人分)

バナナ...1/2本(約50g) グレープフルーツ...1/2個(約100g) プレーンヨーグルト...50g

 

作り方

1. バナナは皮をむき、一口サイズに切る。グレープフルーツはスクイーザーでしぼる。
2. すべての材料をミキサーにかける。

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冷房などで乾燥しがちな夏の肌には、保湿力を高めるビタミンAがたっぷり含まれているジュースです。

材料(1人分)

にんじん...1/4本(約40g) マンゴー...1/2個(約100g) オレンジ...1個(約130g)

作り方

1. にんじんは皮をむき、マンゴーは皮と種を取り除き、それぞれ一口サイズに切る。オレンジはスクイーザーでしぼる。
2. すべての材料をミキサーにかける。

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