九月の庭仕事

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九月の和月名「長月」は、日が短くなり、かわりに夜が長くなりだす「夜長月」に由来するとか。

重陽の節句に十五夜のお月見、そして秋分と暑かった夏も終わり秋を迎える月です。

今回は、そんな九月にしておきたい庭仕事をまとめました。

  • 九月の草花管理
  • 九月の菜園管理
  • 九月の庭木管理
  • 九月の観葉植物
  • 九月の芝生管理

それでは次項から、具体的な作業内容について見ていきましょう。

※作業内容は、一つの目安です。お住まいの地域の気候により、作業適期がずれる場合があります。

九月の草花管理

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春分の日から数えて二百十日は、昔から嵐の多い日として知られています。
農作物に甚大な被害を与えることから、「※三大厄日」のひとつとなっています。
※三大厄日とは、天候の荒れる確率が高い「八朔」、「二百十日」、「二百二十日」を指します。
そんな「二百十日」、「二百二十日」を抱える九月は、台風への備えが大切になってきます。
気象情報に留意して支柱を立てたり鉢を移動させるなどの対策を早めに行いましょう。
台風を除けば暑さも落ち着いてくるこの時期は、種まきや宿根草の株分け、挿し芽などの作業に忙しくなります。
九月に入ると、秋植えの球根が出回り始めます。
植え付けにはまだ早いのですが、良い球根を手に入れるためにはこの時期を逃さずに購入するのがポイントです。
秋蒔きの種は、購入したら発芽適温に注意して、蒔き時を逃さないよう早めに種まきしましょう。
花壇はくたびれてしまった夏の草花を片付けて、秋花壇への切り替えをします。

鉢植え草花で、夏の直射日光を避けるために日陰に置いたものや遮光していたものは、徐々に明るい場所に移動させたり遮光を取り除いてあげましょう。
水やりは、鉢土が乾いていることを確認してから与えます。
根詰まりを起こしているものは、鉢増しや株分けなどをして植え替えましょう。
シクラメンは、植え替えの時期です。
非休眠株は一回り大きい鉢に、休眠株は球根が腐っていたりしないか確認しながら植え替えます。

ゼラニウムやマーガレット、アメリカンブルーなどは挿し木で株を更新します。
九月下旬になると、宿根草の株分けも適期となります。
数年たった株は老化して勢いがなくなったり、中心部が空いてしまったりするので、株分けで株の更新を図りましょう。
その他、この時期は秋の長雨でウドンコ病が発生しやすくなるので、注意しましょう。

九月の菜園管理

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これからの季節に重宝する、シュンギクやミズナといった野菜たちの種まき適期です。
菜園はそろそろ夏野菜を片付け、土を耕して秋の植付け準備を整えましょう。

また暑さでグッタリしていたハーブも、活力を取り戻す季節になります。
花をつけたハーブは、種の採取をする以外は切り戻しておきましょう。
最高気温が25度以下になれば、種まきも適期となります。
耐寒性のあるハーブは、秋蒔きにすると丈夫に育ちます。
ただし交雑しやすいミントなどは、挿し木の方がお勧めです。

九月の庭木管理

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サルスベリやムクゲといった夏の花木も盛りを過ぎ、萩が咲きムラサキシキブも実を結ぶ季節になりますね。
暑い夏の間花を咲かせて楽しませてくれた花木たちに、お礼肥えをしてあげましょう。
これからは秋に向かい、庭木の生育も鈍ってくる時期です。
常緑の生垣などは、九月上旬に刈り込みを済ませておきましょう。
常緑樹は、九月中旬くらいから植え付け、植え替えの適期に入ります。
但し落葉樹は、休眠に入る11月以降に行います。
植え替えの際は根が切られてしまうので、枝も切り詰めてバランスを取ってあげます。
また草花同様に、この時期は台風対策が必要です。
植え付け、植え替え後に強風で倒れてしまわないよう、支柱を立ててあげましょう。
徒長枝や不要な枝を整理して風通しを良くすることも、強風対策になります。
この他、鉢植えは風の当たらない場所に移動したり、大きなものは風で倒される前に横にして置くのも一つの手です。
ただし台風が過ぎ去ったら、元に戻しておくのをお忘れなく。

バラの夏剪定は、九月上旬までには終わらせておきましょう。
剪定後は、追肥を施しておきます。
草花、庭木同様、台風被害に注意しましょう。
またウドンコ病、黒点病が発生しやすい時期です。
特に台風や秋の長雨で蔓延しやすいので、適宜発生前の消毒、発生後の薬剤散布などを行います。

九月の観葉植物

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日照時間が、すこしずつ短くなっていきます。
夏の直射日光を避けるために日陰に置いたものや遮光していたものも、徐々に明るい場所に移動させたり遮光を取り除きます。
また残暑の残る九月も、後半になると夜間はかなり涼しくなります。
戸外で管理していた観葉植物も、寒さに弱いものから徐々に慣らしながら室内に移していきましょう。
九月の台風や長雨には、風のあたらない場所や屋内に移動させるなどして対処しましょう。
水やりは盛夏と同じようにしていると、過湿で根腐れを起こしてしまいがちです。
土が乾いているか確認してから、水やりをするようにします。
夏の間旺盛に生育して根詰まりを起こしているものは、鉢増しをしましょう。

九月の芝生管理

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【高麗芝】

旺盛な生育は、涼しくなるにつれて衰えてきます。
水やり、施肥とも特に必要はありません。
刈り込みも月に一回程度、伸びたら刈るというくらいです。
雑草のメヒシバは種ができて落ちる前に、除草しておきましょう。

【西洋芝】

暑さも一段落で、元気を取り戻してくる時期です。
所々剥げてしまった部分には、種を追い蒔きしてあげましょう。
芝用肥料で追肥をして、生育を助けます。
但し種を蒔いたところには、施肥は避けます。
水やりは、乾燥した日が続く場合は散水してあげましょう。
このときも種を蒔いた箇所は、種が流れてしまわないよう注意が必要です。

【西洋芝の種まき】

西洋芝の種まきは、九月下旬頃からが適期です。
種をまく前にあらかじめ深さ30センチほど掘って良く耕しておき、水はけが悪い場合は砂をまぜておきます。
このとき石コロやガラ、木の根などは取り除いておきましょう。
土の表面を、レーキなどで平らにならしておきます。
種は全体に均一にまき、厚さ5ミリ程度覆土します。
板などを使って、土と種を圧着させます。
不織布で覆い、その上からたっぷりと水をやります。
その後は土の表面が乾かないよう、1~2日おきに水やりを続けて管理します。
1~2週間で発芽してくるので、発芽が揃ったら不織布をはずします。
草丈が5センチくらいになったら刈り込みと、施肥を始めます。
肥料は、月1回くらいの割合で与えます。

【ウィンターオーバーシーディング】

既にある高麗芝の上に西洋芝の種を蒔いて、夏芝と冬芝を切り替えて一年中グリーンを楽しむ方法です。
種まきの直前に、今ある芝を短く刈り込んでサッチを取り除いておきます。
その後種を均一にまき、種を流さないよう静かに水やりをします。
発芽後、草丈が5センチくらいになったら刈り込みを始めましょう。

執筆者:All About「ガーデニング」ガイド 畠山 潤子(はたけやま じゅんこ)