お花には不思議な力があります。一輪の花を小さな器に飾るだけで周囲が華やかになり、心を和ませてくれます。もっと気軽に花を飾り、お花の力を生活に取り入れましょう。
周囲を華やかに、心を和ませる花
花は不思議な力を秘めています。眺めているだけでよい気分になります。お祝い事や嬉しいときに花を見ると、気持ちがさらに高揚してきます。また気分が落ち込んだり、悲しいことがあったときには、ゆっくりと心を癒してくれます。それは花のもつ生きる力が、はたらいているからでしょう。
そのほかにも、花の色や香りにはストレスを緩和させたり、気分をリフレッシュさせてくれる心理的な効果があると言われています。
たとえ一輪の花であっても、コップに入れて飾るだけで、その周辺を華やかにし、心を和ませてくれます。暮らしのなかに気軽に花を取り入れて、花のさまざまな力を感じてみませんか。
花は、お部屋の雰囲気やイメージをすぐに変えてくれるインテリアです。
今回の特集で「花のはたらき」について教えていただいた、倉田和美さん。
＜プロフィール＞
フローラルスタジオＫ'ｓ主催。フラワーデザイナーとして、フラワーアレンジ、ディスプレイの分野で幅広く活躍。日本フラワーデザイナー協会本部講師も務める。
花と向き合う時間を持つ
お部屋に華やかさをつくり、心にゆとりを与えてくれる花を、もっと身近に飾って楽しみたいものです。最近お花屋さんの店頭には、新種の花々や、さまざまにアレンジされた花がいくつも並んでいます。まずは自分の好きな花を選んでみましょう。何をどう選んでよいか迷ったときには、お店の方に気軽に相談してみましょう。希望に合わせておすすめの花を教えてもらえたり、組み合せ方やお手入れ方法などを聞くこともできます。
買ってきた花はすぐに水につけ、早めに茎の先端を切って活けます。花束になっているものであれば、形を整え、お気に入りの花瓶に活けるだけでも、素敵なアレンジができあがります。また花束をほどき、小分けにしていくつかの花瓶に活けてみるのも楽しいものです。
花の楽しみ方は、花と向き合う時間を少し持つことで生まれてきます。季節に合った花を行事に合わせたり、身近にある器と組み合わせるなど、暮らしに花を取り入れることで、楽しみ方の発想はさらに広がっていくことでしょう。
お花は特別なことをしなくても、小さなアレンジでお部屋に華やかさを演出してくれます。
まずは気に入った花を一輪飾る
花を飾る場合、初めから大きなボリュームのあるアレンジは難しいので、まずお好きな花を一輪飾るところから始めてみましょう。
まず最初は、花を飾る場所を決めましょう。自分がいつも眺められるところ、家族の視線の集まるところなど、花を飾るためのスペースを決めると自然に花を飾る習慣が身に付いてきます。
飾る場所が決まったら、次は花器選びです。飾る場所の雰囲気やスペースに合わせて選びますが、適当な花瓶がない場合は、使っていないグラスやおしゃれなジャムの瓶などを利用してみましょう。組み合せのバランスが多少悪くても、素朴な味わいが生まれ、親しみやすい印象になります。またそば猪口やマグカップなどを利用する場合は、口から広がるように花をまとめると、可愛らしいアレンジになります。花器と花の取り合わせは、あまり堅苦しく考えず、自由に楽しんでみてください。
ワインやゴブレットなどを花器にするとお洒落に見えます。
キッチンの空いているスペースに小さなアレンジを置いてみましょう。
花との時間を長く楽しむために
飾った花の水換えは毎日してあげましょう。水の吸い上げをよくするために、茎の先を少しずつ切っていくと日持ちがよくなります。そして茎が短くなったら、花丈に合った器に入れ替えていきます。最後は、花を広い皿に浮かべて飾るなどの工夫をすれば、花との時間を長く楽しむことができます。
暮らしの中に花があると気分も華やいできます。お気に入りの花を飾る習慣が身に付くと、花のない暮らしは少し寂しさを感じてしまうかもしれません。暮らしにさまざまな楽しみを与えてくれる花を気軽に飾ってみませんか。
水を吸う力がなくなった花は、短く切って水の張った皿に飾ってみましょう。
トイレや洗面所にも美しい缶を花器にして飾ってみましょう。
お気に入りの場所に、身近にあるお気に入りの器を
コーヒーカップやお気に入りのパッケージなども花器として使えます。庭に咲いている一輪の花や小さなアレンジメントを小分けにして、お気に入りの場所に飾ってみましょう。きっと、花のある暮らしの楽しさが見えてきます。
口が大きめのカップは、花が器から出るくらいの短かめでカットし、グリーンや小さな花と合わせます。余った花がある時に、楽しく簡単に作れます。
細長いボトルの場合は、茎の長いチューリップやバラを1本だけ活けてみましょう。
同じデザインの湯飲みや小振りの花器があれば、2、3個並べて花を活け、床の間や棚に飾ってみましょう。器の色と形や揃っていることで統一感が生まれます。
ジャムの瓶や小さなガラスの一輪挿しは、キッチンのわずかなスペースにもおけるので重宝します。庭やブーケから一輪抜いて差してみましょう。いくつか並べると可愛らしさが増します。
小さめのカゴやバスケットにも花を飾ってみましょう。中にラップを敷き吸水性スポンジをいれて花を差しましょう。
デザインの美しいお菓子や化粧品の箱も活かすことができます。吸水性スポンジを使い、ギフトを開けたように演出すれば、素敵なインテリアになります。
花の選び方やキレイに見える飾り方、お手入れの方法などを紹介している書籍を集めました。花を上手に生活に取り入れ、毎日の生活に潤いをもたらしましょう。
花は、見る人の心を癒しその場の雰囲気をも変えてしまう不思議なものです。本書では花ことばを参考に、玄関からリビング、キッチン、書斎、子供部屋、寝室、トイレまで、家の中を飾るのにピッタリな花を紹介します。花からパワーをもらい、豊かな生活を送りましょう！
新典社
伊宮伶（著）
定価：1,470円（税込）
花の色、香り、形が放つ"気"を利用して心と体のバランスを整える"花療法"を、日々の暮らしに取り入れられるよう、さまざまな生活シーンでの飾り方を具体的に解説。"花療法"を活用し、日々をイキイキと暮らしましょう。
ブティック社
片桐義子（著）
1,050円（税込）
人気の小さなグリーンの楽しみ方や、飾り方を詳しく解説。こけ玉やカラーサンド植え、テラリウムなど、見ているだけでも楽しめます。グリーンを長持ちさせるための管理の仕方もやさしく解説しています。
主婦の友社
薮正秀（監修）
1,260円（税込）
