毎日使うキッチンは、料理を楽しみ、おいしく味わうためにも、いつも心地よい空間にしておきたいものです。快適なキッチンをつくるにはどうしたらよいか、そのポイントを紹介します。
快適なキッチンで毎日が活き活き
「収納がうまくできない」「後片づけや掃除が面倒」「使いたい物がすぐに出せない」など、多くの方がキッチンに悩みをかかえているようです。主婦にとって、1日のうちでも長い時間を過ごすキッチンですから、心地よく過ごせる環境にしたいものですね。
キッチンは料理をする場だけでなく、自分の時間を楽しむ場でもあり、また家族とのコミュニケーションを広げていく場にもなります。快適なキッチンは、毎日を活き活きとしたものにしてくれるはずです。
キッチンは自分の時間を楽しむ場であるとともに、家族とのコミュニケーションの場でもあります。そんな大切な場は、いつもキレイに、そして快適に保ちたいものです。
今回の特集で「快適なキッチン」について教えていただいた、本島江里子さん。
<プロフィール>
料理研究家。ケーキ&クッキングサロン「flour time」を主宰。もてなす側に立って、居心地のよいキッチン空間を提唱するなど、食をトータルにプロデュースしている。
取り出しやすい場所に納める
きれいで使いやすく、料理が楽しめるキッチンへ。まずは、収納から考えてみましょう。
1つ目のポイント『収納』の基本は、「しまう」よりも「使う」を考えることです。つまり、調理器具は使う場所の近くに、取り出しやすい状態で収納するということです。たとえば、ひんぱんに使うためバラバラになりやすい調味料や小皿などは、それぞれを1つのかごにまとめて入れ、使う場所の近くに収納しましょう。また土鍋など季節によって使う頻度が変わる食器は、季節毎に位置を変えることで出し入れがぐんと楽になります。
ワゴンを上手に利用する
またワゴンは手軽に収納力をアップできるおすすめのアイテムです。物をしまったまま必要な場所に移動できるうえ、調理台と同じ高さのワゴンを選べば、調理スペースとして活用できます。
冷蔵庫への収納は70%を目安にしましょう。詰め込み過ぎると取り出しにくい上、掃除もしにくくなります。瓶類はまとめてプラススチックなどのトレイに乗せて庫内に入れておくと、簡単に引き出すことができます。
お気に入りの調理器具や調味料などは、作業台の壁に棚をつくって使いやすいように並べます。わかりやすいだけでなく、お料理が楽しくなります。
ワゴンは収納だけでなく、調理の作業台になるほか、料理を運ぶのにも便利なマルチアイテムです。
『掃除』の基本は「汚れものをためない
2つ目のポイント『掃除』の基本は「汚れものをためない」ことです。調理に使った鍋やボールなどは、料理をしながら洗っていくと、余裕をもって料理ができるうえ、食事の後の洗いものが軽減されます。吹きこぼれや油などによるコンロの汚れも、余熱の残っているうちに濡れた布巾で素早く拭き取れば、ガンコな汚れとして残りません。
『空間演出』でキッチンを楽しめる場に
3つ目のポイントとなるキッチンの『空間演出』も、料理を楽しむことにつながります。たとえば窓辺に小さな鉢植えを1つ置くだけで、気持が和らぐものです。ハーブの寄せ植えにすれば、料理の飾りつけとして活用できます。
またパスタやオリーブオイル、ビネガーなどをビンに入れて飾れば、見た目も美しく、キッチンの楽しいアクセントになります。
使いやすく心地よいキッチンは、レシピを広げる空間だけでなく、ゆったり料理する心のゆとりを与えてくれます。あなたらしいちょっとした工夫でキッチン環境をもっと快適なものにしませんか。
すっきりしたキッチンに鉢植えなどのグリーンを置くと、空間の印象に華やかさが加わります。
果実やドライハーブなどを広口のビンに入れて並べると楽しいアクセントになります。
移動可能なダストボックスがあれば、捨てるために動く必要がなくなります。
便利でお気に入りのグッズでキッチンを快適空間へ
キッチンでの作業を考えて開発された便利で楽しいグッズを紹介します。使いやすい工夫と美しいデザイン性は、きっとキッチンを快適な空間に変えてくれます。
柄を持つとスコップのような形になります。軽いので切った食材を片手でそのまま鍋などに入れることができます。
受け皿が透明のボウルになっているので、食材や重量表示がよく見えます。またボウルは簡単にはずせるので、そのまま運ぶことができます。
スマートで機能的なゴミ袋ストッカーです。必要な時にすぐに取り出せますので、探す手間がなくなります。
本来はオフィスで使うワゴンですが、3つの回転トレーと薄い引き出しなど、高い収納性と機能性でキッチンの小物を一手に引き受けます。
じゃがいも、玉ねぎ、ニンニクなどの根菜類を入れて吊るす保存用のネットです。上から入れて下から取り出します。
マイクロファイバーを使ったアクセサリーのような食器洗い用具です。多少の汚れであれば洗剤なしで洗い流すことができます。
便利でお気に入りのグッズでキッチンを快適空間へ
キッチンでの作業を考えて開発された便利で楽しいグッズを紹介します。使いやすい工夫と美しいデザイン性は、きっとキッチンを快適な空間に変えてくれます。
OXO(オクソー)社の、グッドグリップシリーズのメジャーカップ。普通の計量カップのように横側のメモリに加え、容器の内側にも斜めにメモリがついているため、上から見ても容量がわかるようになっています。
移動が楽なキャスター付きなので、お料理中、近くに置いて使用することができます。ペダルを踏めばフタが開くので、手を汚す心配もありません。キッチンをスタイリッシュに演出してくれるデザインも素敵です。
アルミ素材で構成されているワインラック。余分なデザインを排除した機能重視なラックなので、どんな雰囲気のキッチンにもマッチします。
全体を手で握れるので、力も入れやすく、栓を開けやすい構造のボトルオープナーです。1994年DESIGN PLUS賞を受賞しました。
調理器具や鍋類、食器、そしてカトラリーなど、キッチンに立つのが嬉しくなるようなグッズを揃えているのがインテリアショップ「センプレデザイン」。家具や照明、雑貨などインテリア用品も数多く選べるセレクトショップとして人気があります。
なお4~5ページで紹介したキッチン用品は、ホームページの通信販売で購入することができます。下記のアドレスでご確認ください。
主婦の方なら特に過ごす時間の多いキッチン。使いやすいことはもちろん、快適で心地よい場にしたいものです。そこで、快適なキッチンづくりに役立つ書籍を紹介します。
多くの調理道具に、種類も形も不揃いなお皿や調味料などなど、キッチンは汚れやすいだけでなく、片付けにくい場所のひとつでもあります。しかし本書では、スペース別に収納のルールとマル秘テクニックを紹介。誰にでもすぐにできる簡単なものばかりなので、キッチンを使いやすくレベルアップできます。
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料理研究家たちの仕事場であるキッチンを訪ね、じっくり、そしてゆっくりとキッチンを拝見。小さな2畳のキッチンから、自然の中にある別荘のキッチンまで、広さもこだわりも表情もさまざまな21軒を紹介。こだわりの設備、収納から、お気入りグッズまで、真似したい知恵がいっぱいの1冊です。
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