涼しさを演出するインテリアグリーン

夏の日射しに映える水辺の植物は、涼を呼ぶインテリアとしても人気です。毎日の暮らしを爽やかに彩ってくれる「水生植物」の楽しみ方をご紹介しましょう。

涼やかな雰囲気を生む水生植物

春の訪れをつげるミズバショウ、池の廻りや湿地に美しく咲きほこるショウブやカキツバタ、そして夏の池や沼に華やかさを演出するスイレンなど、いずれも水辺を彩る代表的な水生植物です。特に夏のスイレンは水鉢や庭の池などで、私たちに親しまれてきました。また最近では、ミズクサなどの身近な水生植物にも注目が集まり、インテリアとして室内にとり入れる人も増えています。

水生植物の魅力は、なんといっても涼やかな雰囲気を作ってくれることにあります。水鉢の色や形を工夫することで、雰囲気が変わることも楽しみのひとつです。

{写真}:ライフスタイル

{コラムキャッチ}:ライフスタイル

今回は、水生植物を住まいのインテリアなどに利用した新しい空間創りを提案している園芸家の岩見悦明さんにお話をうかがいました。

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プロフィール
水生植物を専門に扱う園芸店「杜若園芸」を経営。エコロジカルな視点で水生植物の楽しみ方を提唱している。著書に「小さなウォーターガーデニング」(小学館)など。
株式会社杜若園芸(とじゃくえんげい)

生育環境に上手に適応して育ちます

水生植物とは水中や水辺に生育する植物のことです。大きく分けると、ホテイアオイのように水中に根を漂わせ浮遊している種類。スイレンのように水底に根を張り葉や花を水面に出している種類。そして、ヨシのように湿地に生えている種類などがあります。水生植物は生育環境にあったさまざまな特長を持っています。

例えば葉の裏に浮き袋を持って浮遊しながら育つアマゾンフロッグピットや、花を咲かせる時にだけ水面に茎を伸ばすマツモ、水底の土に茎と根を伸ばしながら増えるウチワゼニクサなど、それぞれの水辺の環境にうまく適応して育ちます。

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丸い浮き葉が愛らしいアマゾンフロッグピットは、小さな皿で育てることができます。ガラス玉や小石を入れると涼しげです。強い光があればよく育つので、窓辺の演出におすすめです。

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アクアリウムプランツとして人気の高いウチワゼニクサ(ウォーターマッシュルーム)は、夏に小さく白い花をつけます。室内の温かい場所であれば冬も楽しむことができます。

日照・水温・水質・生育環境に配慮

水生植物は日照を好みます。また、水温や水質の変化に敏感です。室内で楽しむには、日の当たる窓辺に置き、水の蒸発や水温の上昇に気をつけ、水替えの時は、少しずつ差し水をして調節します。鉢は、植物が引き立つものであることも大切ですが、自生していた環境を考えて形や大きさを決めます。

背の高い植物は、安定感のある鉢を

パピルスやシラサギスゲなど背の高い植物は、安定感のあるやや深めの鉢を選びます。しっかりと土で根をかため、化粧石などで表面を覆い水を張ります。玄関やリビングなど広めの空間に飾ると、繊細でありながらも存在感のある演出になります。わずかな風でやさしく揺れる葉を見ていると、涼し気でくつろいだ気分になります。

浮葉植物は、底の浅い鉢に浮かべて

ウォーターポピーやアマゾンフロッグピットなどの浮葉植物は、底の浅い鉢やガラス皿を使って水に浮かべ、センターテーブルなどに置いて水辺の清涼感を演出してみましょう。鉢に白い石やガラス玉を入れるとより涼しげになります。

葉をつける植物は、小さめの花器に

ウォータークローバーやウチワゼニクサなど小さく愛らしい葉をつける植物は、小さめのシンプルな鉢やガラスの花器にまとめます。キッチンなどの窓辺に飾ると、茎と葉がさまざまな方向に伸びて楽しい雰囲気をつくります。

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ウォータークローバーは、夕方に可憐な葉を折りたたみ、1枚の形にして就眠するユニークな水生植物です。

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繊細な雰囲気を持つヒメパピルスは、夏に穂状の花を咲かせます。広めの空間に飾ります。

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ヤツガシラは、サトイモの仲間で古くから鑑賞されてきました。和洋どちらの鉢にもよく似合います。

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ラセンイは、螺旋状の茎が特長です。さまざまな色と形の鉢を選んで楽しみましょう。

水生植物を美しく引き立てる水鉢を選ぶ

水生植物を涼しげで美しく演出するには鉢選びが大切です。和風の陶器やシンプルな洋鉢、爽やかさを感じさせるガラス皿など植物の大きさ、葉や茎の形、飾る場所に合わせて選びましょう。

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チタン窯変水鉢

器の中側に美しい緑釉を施したモダンな水鉢です。深さがあるのでミニパピルスやシペラスなど草丈のある植物をしっかり支えることができます。

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水鉢

縁が丸く植物を包み込むようなシンプルな水鉢です。トクサとウォータークローバーなどの寄せ植えのほか、アレンジ用の器としても使えます。

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トライアングルボウル

イタリア製の白い三角柱の陶器鉢です。小さな植物を合わせ、窓辺やテーブルに飾るとお洒落な雰囲気をつくります。

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鉢カバー

鉢カバーは、水鉢としても利用できます。サイズや色の種類が豊富なので、植物の大きさや形に合わせてぶことができます。

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クリエイティブフラワーベースセット

バラの花をモチーフにデザインされた2個セットの花瓶です。植物を飾るだけでなく、使い方次第でさまざまなや楽しみ方が生まれてきます。

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ガラス皿

フィンランドのガラス食器です。アマゾンフロッグピットなどの小さな浮草を入れてテーブルを涼しげに飾ってみましょう。

夏庭に映え、インテリアにも活躍

初夏から秋にかけて次々と花を咲かせるスイレンは、人気の高い水生植物です。直径30~60センチほどの深めの水鉢を使って、陽当たりのよい庭やテラスで育てます。スイレンは、色鮮やかな花を咲かせるものが多く、水面だけでなく周辺までを華やかに演出します。咲いた花を切り花にして大きめの皿や低い鉢に浮かべると、お客さまへの涼し気なおもてなしになるでしょう。

{コラムキャッチ}:ライフスタイル

スイレンをはじめ約500種類の水生植物を販売しているのが杜若園芸です。ホームページから水生植物の種類を選び、注文をすれば宅配便で全国に配送されます。

ホームページでは現在販売している種類をはじめ育て方、管理の方法、水生植物Q&Aなどイラスト入りで詳しく紹介されていますので、下記のアドレスでご確認ください。

株式会社杜若園芸(とじゃくえんげい)

{写真}:ライフスタイル

初夏から秋にかけて次々と花を咲かせるスイレンは、人気の高い水生植物です。直径30~60センチほどの深めの水鉢を使って、陽当たりのよい庭やテラスで育てます。スイレンは、色鮮やかな花を咲かせるものが多く、水面だけでなく周辺までを華やかに演出します。咲いた花を切り花にして大きめの皿や低い鉢に浮かべると、お客さまへの涼し気なおもてなしになるでしょう。

{本の紹介}{見出し:ライフスタイル本の紹介}

水性植物の種類や特徴、インテリア・プランツの作り方から育て方まで、多彩な事例を写真入りで紹介。和・洋の美しいアレンジ写真は見るだけでも涼しい気分に。土の選び方から季節の世話、ちょっとした水鉢アレンジのコツなども簡潔でわかりやすく、初心者の方には役立つ一冊です。

{本の紹介}

岩見悦明(著・編)
小学館
定価:1,470円(税込)

{本の紹介}{見出し:ライフスタイル本の紹介}

水生植物や涼しげなグリーンを使った、ウォーターガーデニングのガイドブック。水生植物のカタログも数多く紹介され、栽培の基礎知識もイラストや写真を使ってわかりやすく解説。ビオトープ風アレンジや魚が泳ぐアクア&テラリウムなど、いろんな楽しみ方も提案されています。

{本の紹介}

主婦の友社
定価:1,365円(税込)

{本の紹介}{見出し:ライフスタイル本の紹介}

水中で育成できるアクアプランツを中心に、水面から姿をのぞかせる水生植物など、基本的な水草の種類を徹底紹介。身近な器を使って室内で楽しめるアレンジやその育成方法まで、オールシーズン使えるアクアプランツ・バイブルです。

{本の紹介}

宮田浩史(著・編)
小学館
定価:1,470円(税込

{本の紹介}{見出し:ライフスタイル本の紹介}

「アクアガーデニングへの誘い」と銘打たれた一冊。水辺の風景を生活に取り入れて楽しむ...というコンセプトのもと、水鉢での栽培から水槽を使ったアクアテラリウムまで、暮らしの中に「水」と「植物」そして「熱帯魚」まで、上手に取り入れるコツを紹介しています。

{本の紹介}

エムピージェー/マリン企画
定価:1,600円(税込)