リネンのある暮らし

リネンは古くから親しまれてきた素材ですが、そのナチュラルな風合いと上品な質感が見直され、最近では住まいに取り入れる人も増えています。リネンは「暮らしの中で使ってこそ、本当の価値がわかる」そうです。

 

健康志向の高まりから注目を集める"リネン"

"リネン"とは、亜麻(フラックス)という植物を原料とした繊維や糸のことで、歴史上もっとも古い繊維といわれています。古代エジプトでは神事などにも利用され、ギリシャ・ローマ時代の貴婦人にも愛されていました。時を経ても、リネンはその品質の高さからヨーロッパの人々の間で代々受け継がれ、愛用されてきました。

日本でも明治時代には北海道で亜麻の栽培が行われていたこともありますが、現在、国内で販売されているリネンのほぼ100%が、海外から輸入されています。健康志向の高まりから、最近再び注目を集め、暮らしの中に取り入れられる方も増えています

{写真}:ライフスタイル

生活に取り入れることで、リネンのよさがわかります。その素朴で自然な風合いは、どんなご家庭にもマッチします。

 

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夏場の寝具にリネンを使うと、機能面はいうまでもなく、見た目も涼しげです。

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リネン専門店「リネンバード」オーナー

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今回の特集にて「リネン」について教えていただいた、米田輪子さん。

プロフィール
6年間暮らしたロンドンでリネンと出会い、元来の手作り好きが高じて2003年、東京・二子玉川に「リネンバード」を開店。キッチンクロスからベッドリネン、手作りのための生地まで、あらゆるリネンが揃う国内では希少な専門店として人気を誇る。

リネンの優れた機能性・快適性

家の中で使われるシーツやタオルなどの布製品が「ハウスリネン」と呼ばれるように、古くからリネンは人々の暮らしに浸透していました。その理由は、優れた機能性と快適性にあります。

水分を吸い取る速度は綿の4倍で、洗濯しても自然乾燥ですぐに乾くなど、抜群の吸水・速乾性が最大の特長です。さらりとした質感をもつリネンは、高温多湿の日本に最適な素材といえるでしょう。また汚れが繊維内に吸収されにくく、表面についた汚れが落ちやすいことも特性のひとつです。そして何より、リネンはとても丈夫です。水に濡れるとさらに強度が増し、洗濯機で洗っても長期間強度が落ちません

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原料はフラックスという植物で、茎の繊維が糸になります。

 

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お日さまのもとで干せば、あっという間に乾いて自然な風合いになります。

初めてのリネンはキッチン廻りから

機能性・快適性とともに装飾性が高いことも、リネンが愛され続ける理由のひとつです。たとえば、ヨーロッパには、ダイニングルームはもちろん、ベッドルームやバスルームなど、さまざまな場所にリネンが使われているホテルがあります。リネンならではの魅力である落ち着いた雰囲気や、さりげなく漂う清潔感は、私たちの暮らしにも取り入れたいものです。

初めてリネンを使う方は、キッチン廻りから試してみることをおすすめします。特にキッチンタオルは、「素早く水分を吸収し、すぐに乾く」という、リネンの機能性を最も実感できるアイテムです。コットンのふきんと比べると高価ですが、長持ちするので長い目で見れば経済的です。ヨーロッパ製は日本製に比べて大きいので、拭くだけでなく、お弁当箱を包んだり、ランチョンマットの代わりに使用したりと、いろいろな用途で楽しむこともできます

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使ってこそよさのわかるリネン。まず最初はキッチン廻り、ランチョンマットやテーブルクロス、ディッシュタオルから取り入れるといいでしょう(写真提供:リネンバード)。

 

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キッチンタオルに求められる吸水性、即乾性、耐久性。リネンは理想的な素材です。

 

どんなお部屋にも似合うリネン

インテリアの中にリネンを取り入れると、素朴なイメージを保ちながらも、どこか上品さが漂う雰囲気を演出できます。亜麻本来の自然の風合いをもつ生成りのリネンが、長い間暮らしを優雅で清楚に演出してきましたが、染色技術が発達した昨今では、鮮やかな色やパステル系などさまざまな色がそろっています。テーブルクロスやクッションなどに鮮やかな色のリネンを使うと、それだけでお部屋のイメージが変わります。普段使いにくいと感じる鮮やかな色でも、上品な質感が漂うリネンであれば、木製や革製の家具ともなじみ、まったく違和感を与えません。

心配されるメンテナンスですが、リネンは、耐久性がコットンの2倍といわれるほど丈夫なので、洗濯機で洗えます。洗剤は漂泊剤の入っていない、中性か弱アルカリ性のものを使いましょう。その性質上、少々のシワは避けられませんが、半乾きの状態でアイロンをかけると、きれいに仕上がります。直接肌に触れるベットカバーやシーツ、パジャマなどのハウスリネンは、シワのついたラフな風合いにも、愛着がわくものです。

このように、リネンは毎日の暮らしの中で使ってこそ、本当の価値がわかるものです。この夏から、身近にリネンを取り入れて、リネンのある暮らしの心地よさをぜひ体感してみてください

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リネンというとナチュラル系の色を想像しがちですが、染色技術の向上により、カラフルな種類も増えています。用途やインテリアに合わせ、より使いやすくなっています。

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抜群の耐久性を誇るリネンは、使うほどに柔らかく、肌にやさしいくふわっとした風合いになります。その変化もまた、魅力のひとつです。

 

夏の暮らしにリネンを取り入れてみましょう

さらりとした涼感あふれるリネンは、夏こそ暮らしの中に取り入れたいもの。使うほどにここちよいリネンの味わいを、生活のさまざまなシーンで実感してみましょう。

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さらりとしていて、ふんわりと体を包むような肌ざわりは、衣類としても人気です。写真はベーシックなデザインとカラーで着まわしやすい長袖シャツです。

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アイロンを効かせたクロスとナプキンを用意すれば、いつもの食卓のイメージが一変します。シミがついてもすぐに洗えば大丈夫です。

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素早くと水を吸い込み、たちまち乾くリネンの性質は、バスタオルやバスローブにも適しています。涼やかな肌ざわりが心地よく、とくに夏場はおすすめです。

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優れた吸水性や速乾性など、リネンの魅力を実感したいなら、手頃なキッチンタオルがおすすめです。デザインのバリエーションも豊富です。

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なめらかで清涼感のある肌ざわりが日本の夏にぴったりです。汗をかいてもすぐに乾き、心地よい眠りを提供してくれるでしょう。

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素朴なざっくりとした平織りで、柔らかいのにこしがあります。微妙な色がたくさん揃い、どんな部屋にも似合う定番のファブリックです。

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エコバックもリネンならおしゃれな雰囲気に。もちろんお買い物以外の用途にも、お道具袋やバッグとしても使える便利なバックです。

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手縫いのパッチがポイントの、リネンバード製ノートです。ペンでも鉛筆でも書き味の良い紙を選びました。枠線だけのシンプルなデザインなので、レシピブックや備忘録など、いろいろな用途に使えます。

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リトアニアリネンの特徴の、ハリのあるさらっとした肌触りがさわやかなバスマットとバススリッパです。スリッパには硬い底板が入っていないので、ご家庭で洗濯して清潔にお使いいただけます。

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スウェーデンらしいデザインが魅力で、ほどよいボリュームがパンツにもスカートにも合わせやすいリネン素材のサンダル。踵のないデザインですが、履きこみが深いので安定した履き心地です。

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ラフなスタイルにも、ワンピースとの重ね履き用としても、1枚あると便利なウエストがゴムのパンツです。ラインは裾に向かって少し細くなるシルエットです。

{コラムキャッチ}:ライフスタイル

リネンを使ったナチュラルでシンプルな暮らしをテーマに、リネン製品と、手作りのための生地や糸、リボン類などさまざまなリネンを独自のセレクションで扱うお店です。特に生地の種類が充実しており、ベルギーリネンの老舗リペコ社の製品のほか、フランス、イタリア、スイス、リトアニアなどのリネンも豊富。電話・インターネットからの注文も可能です。

{写真}:ライフスタイル

リネンバード(the linen bird)二子玉川
〒158-0094 東京都世田谷区玉川3-12-11
TEL:03-5797-5517/FAX:03-5797-5518

さまざまな用途で生活に取り入れられ、暮らしを豊かにしてくれる「リネン」。そんな「リネン」に関する書籍を紹介します。

{本の紹介}{見出し:ライフスタイル本の紹介}

リネンの布や糸は、使い続けるほど風合いがやわらかくなる素材。そんなリネンを使って、素朴な手作りの楽しみ方を紹介したのが本書。バッグ、エプロン、キッチン雑貨、ブックカバーなど、素材の魅力が活きるシンプルな手作り製品を美しい写真とともに紹介している。しかも、それらのすべてが作り方付きで、実用書としても活用できる 。

{本の紹介}

パッチワーク通信社
定価:本体1,238円+税

{本の紹介}{見出し:ライフスタイル本の紹介}

著者は、オリジナル刺繍入りのバッグや小物を中心とした手作りの店「ラブレター」(東京世田谷)のオーナー。本書は、そんな著者主宰の教室で実際に製作したものを中心に、リネンを使ったバッグや箱、刺繍を施した雑貨、スカラップのポーチやカーテン、プリーツのクッションなどの作品を数多く紹介。あわせて作り方のコツや教室での反応も掲載している。

{本の紹介}

森れいこ著
雄鶏社
定価:本体1,400円+税

{本の紹介}{見出し:ライフスタイル本の紹介}

洗って使い込むほど馴じんでいい感じになり、また、少し手を加えるだけで、いろいろな小物にアレンジできるのが、麻の魅力。本書には、キッチンクロスやコースター、バッグやポーチ、エプロン、帽子やブラウスなど、麻を利用したさまざまな小物や洋服の作り方を紹介している。麻を使った手作りにチャレンジしてみたい人にオススメの一冊。

{本の紹介}

レディブティックシリーズ―ソーイング No.2403
ブティック社
定価:本体943円+税