マットレスも進化中。安眠できるベッドを探そう

あなたはよく眠れていますか?ベッドは見た目だけで選んではいけません!!マットレスは眠りを左右する大事なポイント。新素材のマットレスも登場しています。

たっぷりと寝たはずなのに起きたときに体がだるいといったことはありませんか。それはマットレスがあなたに合っていないことが原因かもしれません。マットレスは眠りを左右する大事なポイント。ご自身にあったものを選んでいきましょう。今回は、ベッドを選ぶ時に役立つマットレスの代表的な種類と特徴についてご紹介ます。

眠り姿勢は立った姿勢が良し

mat_index_img01.jpg 安眠するためには、仰向けに寝る時間を十分にとることが大切です。仰向けに寝ている状態は、筋肉に無理がかからず疲労がとれ、最も眠りが深いといわれています。ですから、仰向けに寝た姿勢を、体に負担をかけずに良い状態に保つことがマットレスに求められます。良い寝姿勢とは、上向きに寝た状態で背骨の曲がりと腰の部分とが2、3cmあくS字形になり、立っているときよりも少し伸びている姿勢になります。

寝返りもスムースに

睡眠中、人は筋肉の緊張をほぐし、血液の循環をよくするために一晩に20~30回寝返りを打ちます。この寝返りがスムースにできないと、余計な筋肉を使うことになり、「休んでいるはずなのに、なぜか疲れが残る」といった原因になります。また、体の一部分に荷重(体圧)がかかりすぎると血液の流れが悪くなり寝返りの回数が増え、安眠のために必要な仰向けで寝る時間が少なくなってしまいます。

寝ているときに体圧を分散させ不要な寝返りの数を減らし、寝返りのときに筋肉に負担を掛けないようにすることもマットレスに求められてきます。

マットレスは柔らかすぎず硬すぎず

では、どんなマットレスだと安眠できるのでしょうか。

柔らかすぎるマットレスは

•体が沈みこみ、寝苦しく感じる。
•寝姿勢が不安定になるため、筋肉が動きやすく疲れが残る。
•寝返りがし難く、余計に筋肉に負担がかかる。

反対に、硬すぎるマットレスは

•特定の場所に体圧が集中し血液の流れが悪くなり寝返りが増える。

といった欠点があります。安眠できるマットレスは、柔らかすぎず硬すぎず、体のでこぼこや重みをしっかり受け止め、体圧を分散し自然な寝姿勢を保てるものといえます。

3つの層で寝心地良く

index_img02.jpg また、マットレスは体に直接触れるので「柔らかな肌触り」が求められます。「柔らかな肌触り」と「寝姿勢の安定」といった相反する要望を解決するために、マットレスは3つの層で成り立っているものが一般的です。

3層構造では、一番上のA層は柔らかい材質を用います。体に接する部分のためにふんわりとした柔らかさや汗を吸う吸湿性といった役割があります。その下のB層は硬い材質になります。姿勢の安定性や体の落ち込みを防ぐためのしっかりとした層になります。メーカーは寝心地を良くするために様々な工夫をしており、低発泡ウレタンや新素材であるコンニャクのような感触のジェルを用いた商品もあります。

一番下のC層は、体圧の分散や寝返り時の動きなどに対応するクッション的な役割を持っています。C層の部分はスプリングや樹脂、ジェルといった流体物質なども用いられ、この種類によって寝心地が大きく変わります。寝心地はご自身の好みもありますから、購入前には一度実物に寝てみて確かめてくださいね。
マットレスは、C層のクッション材の違いによりスプリングマットレス、エアーマットレス、ウォーターマットレス、ジェルマットレスなどがあります。一般的に普及しているのはスプリングマットレス。スプリングには、大きく分けてボンネルコイルとポケットコイルがあります。それぞれの特徴についてご紹介します。

硬めの寝心地のボンネルコイル

index_img03.jpg ボンネルタイプは、ひとつひとつらせん状に巻いたコイルスプリングを引っ張り合うようにして連結したマットレスです。引っ張りあうことで硬い面となり、体をしっかりと支えます。コイルの中がオープンになっているので通気性が良く湿気がこもりにくいといったメリットもあります。価格も比較的安く、1万円~2万円代くらい(シングルサイズ マットレスのみ)で見つけることができます。(価格参考:BED SELECTION)

しっかりとしたマットレスのため体が沈みこむことが少なく、硬めの寝心地が好きな方や、体重がある方におススメです。しかし、コイル同士が連結しているためにマットレス上で動くと横揺れがあります。ダブルベッドでは、隣に寝ている人の寝返りによる揺れが気になることもあるでしょう。大きめサイズのベッドであればマットレスを二つに分けることも出来ますから検討してはいかがでしょう。

体にフィットするポケットコイル

index_img04.jpg ポケットコイルは、圧縮したコイルスプリングを一つ一つの小さな袋(ポケット)に入れたマットレスです。コイルが独立しているため体型にフィットして、マッレスにかかる体圧が分散しやすくなります。コイルが独立しているので、寝返りのときにも横揺れが少ないといったメリットもあります。価格はボンネルコイルに比べると高くなり、2万円台~5万円台くらい(シングルサイズ マットレスのみ)になります。(価格参考:BED SELECTION)

このマットレスは、コイルの数や配列によってもフィット感やマットレスの硬さが異なります。体重が重い方は、ボンネルタイプに比べて体が沈みこむことがありますから気をつけてください。コイルが袋に入っているため、袋(ポケット)や上の詰め物の材質によって通気性の良し悪しが変わりますので確認をすると良いでしょう。

新しい寝心地 ジェルタイプ

index_img05.jpg スプリングの代わりに流体の水(ウォーターマットレス)やジェル(ジェルマットレス)を使ったマットレスがあります。以前から、ウォーターマットレスは、体圧を分散する性能が優れ、ヒーター付きで温度調節可能といった点で人気があったのですが、水を使うため重量が重く設置箇所の制限や移動が困難、年に一度のメンテナンスが必要といったデメリットがありました。
そのようなデメリットを解消し扱いやすくしたものがジェルタイプのマットレスです。
ジェルタイプの特徴は、

  • ・ウォーターマットレスには及ばないが、スプリングに比べて体圧分散性に優れている。
  • ・ウォーターマットレスに比べて沈み込みが少ないため、寝返りが楽。
  • ・ヒーター付きで温度調整が可能。
  • ・ウォーターマットレスに比べてジェルは容量が少なくてすむため軽い(ダブルベッドで160kg程度)。また、小ぶりなバッグに分割されているおり、持ち運びが容易。
  • ・メンテナンスは不要。
index_img06.jpg 実際に寝てみた感じは、流体のため体にぴったりとフィットし、柔らかな寝心地です。思ったより沈み込みも少なく、寝返りもスムースでした。筋肉負担が少なくなりますから、普段からスポーツなどで筋肉疲労の激しい方におススメです。また、夏場はジェルのひんやりとした涼しさ、冬場はヒーターで温めることができるので温度の問題で寝つきが遅いといったことも解消できます。冬場はヒーターを切ってしまうと室温よりマットレス温度が下がり結露が生じることがありますからヒーターを切らないように注意しましょう。ジェルタイプだけでなく、マットレス全てにいえることですが、ベッドの上での飛び跳ねはしないようにしましょう。コイルが破損したり、ジェル袋が破れることもありますから要注意です。価格は、シングルサイズ(ベッドフレーム付き)で19万円台(メーカー希望価格)が目安です。

腰痛も解消 新世代のマットレス

最近ではジェルではなく樹脂を使ったマットレスも登場しています。例えば、アイシン精機のスーパーフレックスフィットマットレスでは、人工透析の医療用具や食品保蔵容器などに使われる安全性、耐久性に優れた新世代の樹脂「FINEREVO」(ファインレボ)が使われています。

この素材は、どんな形にも対応する柔軟性、弾力性と形状を維持する反発力に優れています。手で触ってみるとグニャと潰れるのですがすぐにもとの形に戻ります。ですから、どんな体型や体の動きにぴったりとフィットし、いろいろな方向の寝返りに対してもスムースに対応してくれるのです。価格はシングルサイズのマットレスで16万円台(メーカー希望価格)が目安です。

実際に寝た印象は、体にフィットしながらもしっかりと安定した寝心地が得られました。寝返りのときも、体のどの部分にも無理な力がかからない印象です。腰痛など身体の痛みを感じる方でも無理なく寝返りを打つことができそうです。
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マットレス選びの秘訣

マットレス選びに大切なことは実際に寝てみることです。マットレスは睡眠の良し悪しを左右する大切なインテリアアイテムです。ベッドを選ぶ時にはデザインや大きさだけでなくマットレスも必ず確認するようにしましょう。今回ご紹介した以外にも沢山の種類のマットレスがあり、大抵のショールームや家具ショップでは、マットレスを数種類用意して寝心地を試せるようになっています。マットレスに腰を掛けるだけでは寝心地までは感じられません。必ず横になって寝返りを打ってみて、お気に入りの商品を見つけてください。

いかがでしたか。今回、ガイド鈴木は、東京のOKAY錦糸町店にお邪魔して、ジェルマットレスと樹脂マットレスの寝心地を試してみました。寝心地の好みは、人によって様々ですからベッド選びにはいろいろな商品を試してみてくださいね。
取材協力を頂いたのはOKAY錦糸町店。ベッドの展示数はかなりのもの。ベッド担当の方が詳しく商品の説明をしてくれます。OKAYはベルギーのライフスタイルショップとの提携でお手頃価格のシンプルな家具が沢山あります。駅からすぐの立地で交通も便利ですからお近くの方は覗いてみてはいかがでしょう。

執筆者:All About「インテリアコーディネート」ガイド 鈴木 理恵子(すずき りえこ)