我が家でつくるバレンタインチョコ

もともとは宗教的な記念日

いまショコラティエが作り上げるチョコレートは、宝石を思わせるような美しさで私たちを魅了します。

日本では、チョコレートを贈る日として定着しているバレンタインデーですが、最初は宗教的な記念日でした。3世紀、ローマの皇帝は戦意をそぐとして、若い兵士の結婚を禁止しました。これに背き、多くの兵士の結婚を認めたのがバレンタイン司祭でした。皇帝の迫害下で殉死した司祭の命日が2月14日。以来、この日を司祭を悼む記念日としましたが、いつしか男女の愛の誓いと贈り物をするようになりました。

今回の特集で「バレンタインチョコ」について教えていただいた、坂田阿希子さん。

{写真}:ライフスタイル<プロフィール>
studio SPOON主宰。料理研究家として、料理雑誌やテレビなどで幅広く活躍している。著書に『101このフライパンおやつ』『あんこのおやつカレンダー』などがある。

チョコレートの基礎知識

チョコレートを使ってお店で売っているようなお菓子を、ご家庭でも作ることができます。チョコレートはデリケートな素材ですが、ポイントを押さえれば、作るのはそれほど難しくはありません。まず1つ目のポイントは、カカオ分の多いものを選ぶことです。ミルクやキャラメルの成分などが入っていると粘りが出て加工しにくくなるため、できるだけカカオ分の高いものを使います。

2つ目のポイントは、溶かす前にチョコレートを細かく刻み、ゆっくり温めることです。チョコレートは油分があるので、高い温度で一気に温めると分離してしまいます。生クリームを沸騰させた鍋に、刻んだチョコレートを入れ、60度ぐらいの湯で湯せんし、ヘラでやさしく混ぜてガナッシュ(基本となるチョコレート)をつくります。これで準備が完了です。  

{写真}:ライフスタイルマシュマロやポテトチップにチョコレートをつけるだけで、おいしいお菓子ができあがります。

トリュフづくりに挑戦

 チョコレートのお菓子を手づくりするために、特別な道具を用意する必要はありません。いつも使うお鍋かステンレスのボウル、計量器、泡だて器とへら、そしてオーブンペーパーなどがあれば大丈夫です。

まず誰もが楽しめるビターな味わいの「トリュフ」をつくってみましょう。ガナッシュだけでもおいしいトリュフをつくることができます。ガナッシュが冷めたら、直径2センチくらい大きさに丸め、ココアパウダーをまぶすだけでできあがります。

お酒好きのお父さんには、シャンパンや洋酒を加えた香りのあるトリュフを、そしてお子様には、ココアパウダーの代わりにココナツフレークや粉糖などを使った、彩りと味わいの違うトリュフにして、選んでもらいましょう。味わいの異なるトリュフを数種類、箱の中に入れてお父さんにプレゼントすれば、笑顔になること間違いありません。

{写真}:ライフスタイルご家庭にある鍋やボウル、ゴムベラ、泡立て器で、簡単にチョコレートのお菓子が作れます。

{写真}:ライフスタイルお菓子やチーズの箱に手作りチョコを入れて、プレゼントしてみませんか。

チョコレートと相性のいい果物

週末のパーティーや午後のティータイムなどには、オレンジやレモンなどと合わせたチョコレートのお菓子はいかがでしょう。柑橘系の果物やベリー類はチョコレートとの相性がよく、互いに味を引き立てあい独特の味わいになります。ドライオレンジにチョコレートをコーティングしたオランジェット(次ページ参照。

また、チョコレートはワインにも合いますので、夜の落ち着いた時間に、ご夫婦でゆっくり語らいながらいただくのもおすすめです。

チョコレートは、ひとつ口にするだけで幸せな気持ちにさせてくれる不思議な力を持っています。バレンタインデーは、チョコレートのお菓子を手づくりして、家族の笑顔あふれる時間を楽しんでみませんか。

{写真}:ライフスタイル柑橘系の果物やベリー類はチョコレートとの相性がよく、互いの味を引き立てます。

{写真}:ライフスタイルチョコレートは、少し濃いめのコーヒーや酸味のある紅茶、赤ワインなどの飲み物と良く合います。

「ショコランジュ」と「レモンピールのチョコレート」の作り方

スライスしたオレンジとレモンの皮の甘煮にチョコレートをコーティング。フレッシュな柑橘の香りが広がります。

■ショコランジュ:材料(約20枚分)

・オレンジ:2個
・グラニュー糖:300g
・水:100cc
・製菓用チョコレート:100g
■レモンピールのチョコレート:材料(約20本分)

・レモンの皮(国産):2個分
・グラニュー糖:100g
・水:40cc
・コーティング用のグラニュー糖:適量
・製菓用チョコレート:100g

オレンジは皮をよく洗い、約5ミリ厚さの輪切りにする。ナベに入れ、ひたひたに水を入れて火にかけ、沸騰したら一度ゆでこぼします(皮のワックスや苦みを取るため)。

水気をきってナベに戻し、グラニュー糖と水を加え、弱火でコトコトと20~30分煮ます。皮が透明な感じになるのが目安です。

電子レンジの皿にオーブンシートを敷き、水気を切ったオレンジを並べ、500Wの電子レンジで4~5分加熱して乾燥させます。様子を見て、さらに1~2分加熱します。

そのまま室温に置いて乾燥させます(一晩くらい乾かすといいです)。

 

チョコレートは細かく刻んで湯煎で溶かします。オレンジの半分にチョコレートをつけ、オーブンシートを敷いたバットなどに並べて固めます。冷蔵庫に30分ほど入れてしっかりと固めます。

 


レモンの場合は、皮を縦に切り、さらにそれを1センチ幅くらいのスティック状にして、オレンジと同様に煮ます。

電子レンジでオレンジと同様に乾燥させ、半分だけグラニュー糖をまぶします。

オレンジと同様に湯煎で溶かしたチョコレートをグラニュー糖がついていない半分につけ、バットなどに並べ、オレンジ同様に固めます。

チョコレートを使ったお菓子に関する書籍のご紹介

チョコレートを使ったお菓子を楽しく簡単に作れるレシピ本を紹介します。ご家庭で、そしてプレゼントにと役立つこと間違いなし、です。

{本の紹介} {見出し:ライフスタイル本の紹介}
{本の紹介}

安心できる無農薬素材を使用して作る、甘すぎないチョコのお菓子のレシピ集です。「小さなチョコレートの焼き菓子」「みんなで食べたいケーキ」「三時のチョコおやつ」など、用途に合わせて使いやすくまとめてあります。レシピはチョコモカマフィン、チョコレートクッキーなどから、葛チョコプリン、アボガドチョコアイスといったものまで、20種類以上掲載。

文化出版局
なかしましほ(著)
1,365円(税込)


{本の紹介} {見出し:ライフスタイル本の紹介}
{本の紹介}

トリュフ、シフォンケーキ、シュー、パイ、タルトなど、チョコを使って簡単に作れるかわいいお菓子をたくさん紹介しています。デコレーションやラッピングのアイデアつきで、プレゼント用のお菓子づくりに最適の一冊。

ブティック社
945円(税込)



{本の紹介} {見出し:ライフスタイル本の紹介}
{本の紹介}

チョコレート専門店に教えてもらった"プロのコツ"を、家庭用にわかりやすく、そして作りやすくアレンジしたレシピとともに紹介。生チョコ、ケーキ、サブレなどなど...。ほんの少しのワザであなたの腕がぐんぐんあがります!

メイツ出版
ショコラティエ マサール
1,365円(税込)