冬に植える野菜の育て方

一般的に冬は土づくりの季節、寒さに強い品種を探して

家庭菜園にとって、冬は土づくりの季節。これまでに栽培した作物の残りを整理し、春に向けて土の準備をする季節です。冬は霜や雪の影響を受けたり、種を撒いても気温が足りず発芽に至らないこともあるので、来春に収穫する作物の種まきは、暖かい地域でも11月中に済ませておくのが基本です。

土づくりは土壌改良ともいい、肥料以上に重要なことです。土の中の有機質や微生物量が多ければ多いほど、肥料の効きが良くなり、病害虫に強くなるため、肥料や農薬の量を減らすことができ、安全・安心で美味しい野菜を育てることができます(参照:外部リンク「家庭菜園の土づくり」)。

ただ、関東南部より温暖な地域では、例外としてホウレンソウやコマツナの寒さに強い品種なら冬でも植え付けが可能です。アスパラガスならいつでも植えつけOKです。



ホウレンソウ

ホウレンソウは、1年中見かける野菜ですが、気温が低くなると甘みが増し、美味しくなっていくので、秋まきがおすすめですが、寒さに強い品種であれば、冬からはじめることも可能です。

ホウレンソウの育て方(外部リンク) >>



コマツナ

201511-0201.jpgまた、コマツナは、東京以南の温かい地域なら、1年中種まきが可能です。種を撒いてから、寒い時期なら2カ月程度、春以降の温かい時期なら、1か月程度で収穫が可能です。

ところで、「寒さに強い品種」って、実際の売り場でどうやって探したら良いのでしょう?

答えは、種が入っている袋の裏にあります。種の袋の裏を見てみると、その品種の特徴や栽培スケジュール、栽培の要点などが書かれています。この中に、「寒さに強い」ということが書かれていたり、栽培スケジュールのなかで、種まきの時期が12月でもOKなものなどを選べば良いのです。

寒さに強い品種の代表は、コマツナなら新晩生小松菜など、ホウレンソウならアンナなどがあります。



アスパラガス

宿根草に分類されるアスパラガスは、冬になると地上部の葉や茎はすべて枯れてしまいます。普段、私たちが口にする部分は、土から出てきたばかりの新芽の部分なのです。秋から冬にかけて、アスパラガスは根っこの部分だけで売られているので、それを土の中に植えつければOK。アスパラガスは病害虫の被害もほとんどなく、手入れも簡単。植えっぱなしで毎年収穫できる、ガイドおすすめの作物です。

アスパラガスの育て方(外部リンク) >>



種袋の裏は、情報の宝庫

201511-0202.jpg余談になりますが、種の袋の裏、じっくりと読んだことはありますか? あれだけの小さなスペースの中に様々な情報が詰め込まれていて、この部分を読むだけで必要な肥料や手入れのタイミングなどがわかるようになっています。ホウレンソウという作物一つとっても、様々な品種があり、「栽培が容易」とか、「温暖な地域に適している」など、自分に合った品種を選ぶための情報が見つかります。種を選ぶ際は、種袋の表だけでなく、裏もじっくりと読んでみましょう。









この記事の担当ガイド

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家庭菜園 ガイド 

小島 理恵

こじま りえ 

大手造園会社を経てプロのガーデナーとして独立。専門学校の講師も勤める。オーガニックな空間作りが得意で、こと家庭菜園においては、無農薬栽培や有機栽培、地産地消、フードマイレージなどについても研究を重ねている。

 

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