月見だんごの供え方・並べ方

十五夜に欠かせない月見だんご

月見01.jpg月見だんごが丸いのは、満ち欠けをする月が満ちる姿を模しているからで、豊作祈願や収穫祝いに加え、ものごとの結実、健康や幸福をあらわします。


月見だんごを"食べる"方は多いのですが、せっかくですから、ぜひ"お供え"してくださいね。月見だんごを供えることで、お月様に感謝の気持ちや祈りを伝え、供えたものを食べることで、それらを身につけることになります。

 



月見だんごの形

月見02.jpg十五にちなみ、一寸五分(約4.5センチ)の大きさの丸いだんごを作ると縁起が良いとされています。ただし、丸とはいえ、ピンポン玉のような真ん丸は死者の枕元に供える「枕だんご」に通じるので、ほんの少しつぶします。

また、里芋のような形であんこを付ける地域もあります。これは芋名月の里芋に見立てており、あんこが里芋料理の「衣かつぎ」の皮や、月にかかった雲を表していると言われています。





月見だんごの数と並べ方

月見03.jpg十五夜には、十五にちなんで15個お供えします。また、1年の満月の数にあわせて12個(閏年には13個)、15を簡略して5個にする場合もあります。十三夜には、13個または3個です。

 

【15個の場合】
一段目に9個(3×3)、二段目に4個(2×2)、三段目に2個を盛ります。三段目の2個は、神事では正面からみて縦に2個並べます。横に2個並べると仏事になります。
【13個の場合】
一段目に9個(3×3)、二段目に4個(2×2)並べます。
【12個の場合】
一段目に9個(3×3)、二段目に3個並べます。
【5個の場合】
一段目に4個(2×2)、二段目に1個です。

ではどんな器に盛り、どこに置けば良いのでしょう?



お供えの器

月見04.jpg本来は「三方(さんぽう)」に白い紙を敷いてお供えします。三方は折敷に台がついたお供え用の器で、神事では白木でできた三方を用います。仏事では塗りのものが用いられ、「三宝」と表す場合が多いです。


ただ、三方がある家庭は少ないので、お盆やお皿にお供えすればOK。


白い紙は、奉書紙、半紙、てんぷらの敷紙などを使いましょう。紙の敷き方には、長方形の紙を四辺または二辺に垂らす方法、正方形の紙を対角に敷いて端を垂らす方法などがあります。



月見だんごを飾る位置

月見05.jpg月見だんごは、お月様から見えるところか床の間にお供えします。日本古来の考え方は左上位のため、ほかのものと一緒に並べるときは、お月様からみて左側に自然界のもの(ススキや野菜)、右側に人工のもの(月見だんご)を供えたほうが良いとされています。


こうして供えた月見だんごは、必ず食べてくださいね!





 

この記事の担当ガイド
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暮らしの歳時記 ガイド 

三浦 康子

みうら やすこ 

和文化研究家、ライフコーディネーター。わかりやすい解説と洒落た提案が支持され、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ウェブ、講演、商品企画などで活躍中。様々な文化プロジェクトに携わり、子育て世代に「行事育」を提唱している。順天堂大学非常勤講師。著書、監修書多数。

 

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