侵入犯は、下見をして入りやすいターゲットを探すため、「この家は狙いにくい」とアピールする"見える防犯"も重要なポイントです。何より人目を嫌う侵入犯の心理をつく対策が効果的。見通しの悪さや死角の多い外構を見直すことに加え、バイク・自転車の路上駐車や、塀の落書きなども治安の悪いイメージにつながります。ふだんからご近所と声をかけ合い、地域ぐるみの防犯意識を高めることが大切です。
街並みのリフォーム前後のイメージを昼・夜それぞれで比較して、チェックしてみましょう。
リフォーム後の街並みが、狙われにくい理由が見えてきます。
●監視性の確保
A:高いブロック塀やモルタル塀は、一度乗り越えてしまうと姿が見えないため、侵入犯にとっては好都合な死角に。
B:低い植栽とスクリーンタイプの格子により、家廻りの見通しがよい。テレビドアホンを敷地の道路側に設け、敷地に近づきにくくします。留守中の来訪者も録画可能。
●街に関心のある住人が多いと思わせる
A:塀が高いためよそよそしい感じがあり、塀の汚れが暗いイメージ。住人が街に無関心な印象を受ける。
B:インターロッキング舗装と植栽で、明るくオープンな雰囲気。統一感があり、住人の連帯感を感じさせる。
●足がかり対策
A:街灯や駐車したバイクがあると、塀にのぼりやすい。塀や屋根づたいに2階の窓にのぼりやすい(下屋の上にある窓には補強を)。
B:足がかりになるものがなく、2階の窓にも侵入しにくい。
●監視性の確保
A:街灯が1カ所だけで、高い塀があるため各家の1階の明るさが漏れてこない。アスファルトが光を吸収し、路面が真っ暗。通る人の顔が認識できない。
B:各家にポーチ灯があり、植栽部分にライトを埋め込み上にスポットを向けることで、家の中のプライバシーを守りながら、夜間でも明るいイメージ。薄い色のタイルに光が反射して、路面も明るい。テレビドアホンも街灯の役割を担う。
あなたの街のどんなところが死角になりやすいかを知って、対策を講じましょう。
■地形に高低差があると、死角が生まれます。
■隣地が駐車場の場合、クルマのカゲが死角となります。
■高い位置の植栽が死角をつくり、曲がり角が逃げやすさを生みます。
住まいの外廻りに、侵入犯に狙われやすいスキはありませんか? 隙間はふさぐなどの対処しましょう。「短時間でも門やドアの鍵を閉める」習慣づけも大切です。
■塀が途中で途切れていたり隙間があると、格好の侵入経路、隠れ場所になってしまいます。
■隣家との間に、建物の裏に回れる隙間があると抜け道となってしまいます。
■門が開いている家には、心理的に入りたくなるもの。きちんと閉める習慣をつけましょう。