華やかな雰囲気に包まれるクリスマス。そのクリスマスを家族でさらに楽しく迎えられるよう家族で作れるクリスマス飾りを紹介します。
起源は古代ローマの「冬至祭」
キリスト生誕を祝うクリスマスの行事は、もともと古代ローマで行われていた冬至祭が起源といわれています。人々は冬に向けて力が弱まる太陽の復活と翌年の豊作を願い、冬至を挟んでお祭りを開きました。4世紀に入り、12月25日がキリストの降誕祭と定められると、冬至祭と結び付いてクリスマスになったと伝えられています。
各国の習慣が世界へと
その後クリスマスは各国の祭りなどと結び付き、それぞれの楽しみ方が生まれました。たとえば、クリスマスツリー発祥の国・ドイツには、モミの木に住む小人が幸せを運ぶという民間信仰があり、木に花やお菓子を飾っていました。これがクリスマスオーナメントの始まりともいわれます。またギリシャやイギリスなどでは、祭事に輪の花飾り(リース)を飾る習慣がありました。クリスマスを祝い、永遠の命の象徴・常緑樹と太陽を表す赤い実を使って作られるようになったのがクリスマスリースです。こうした各国の習慣はさらに世界へと広まっていきました。
リビングには、市販されているツリーや観葉植物を使って好きなオーナメントを飾ってみましょう。
テーブルの大きさに合わせて、キャンドル飾りの形やデザインを決めていきます。
今回の特集で「クリスマス飾り」について教えていただいた、武田陽子さん(左)と小山晃世さん(右)。
<プロフィール>
トゥールペイント(小山さん)とフラワーアレンジメント(武田さん)のコラボレーションにより、多くの作品を生み出している姉妹アーティスト。 室内ディスプレイなどで活躍。
オーナメントを手作りしながら待つクリスマス
世界ではクリスマスの飾りを手作りする国が多く見られます。たとえばフィンランドでは、麦を使い"ヒンメリ"というモビールを家族で手作りして飾ります。ヒンメリはもともと冬至祭の飾りでした。同じ麦を使ったものとして、スウェーデンやスイスでは天使の飾りが作られます。さらにドイツではレースで雪の結晶を編んでツリーに飾る習慣もあります。
そして、イギリスやドイツの子供たちが楽しみにしているのは"アドベントカレンダー"です。これはクリスマスまで、1日ずつ、窓を開けていくカウントダウンカレンダーです。最近は市販のものもありますが、今も両親が子どもために手作りして飾る習慣が残っています。飾るものを手作りしながらクリスマスを待つ、そんな楽しみ方が各国で受け継がれているのです。
お子様の部屋には、クリスマスが待ち遠しくなるような、手作りのアドベントカレンダーを飾ってあげましょう。
寝室にも、クリスマスをイメージする手作りのインテリアを置いてみましょう。落ち着いた雰囲気が生まれます。
家族の思い出を飾り付けに
クリスマスを家族で楽しく迎えるため、12月に入ったら家族で飾り付けのテーマを決めます。たとえば「灯り」をテーマにして、飾り付けをしたツリー型のライトを玄関やリビングに置いたり、市販のキャンドルに1~24の数字を描いてアドベントカレンダーとしてテーブルに飾ります。部屋の灯りを消し、ツリーの光やキャンドルの灯りで家族と語らいの時間を持てば、さらに温かな絆を感じることができるでしょう。
「リサイクル」もテーマになります。たとえばひとつ残ったペアグラスにアクリル絵の具でヒイラギを描き、包み紙の美しいキャンディを入れてテーブルに置くだけで華やかになります。リビングの棚には、お子様が使わなくなった積み木や古くなった写真たてなどをクリスマス用にペイントして置いてみましょう。家族の思い出のつまった我が家だけの特別なクリスマスディスプレイになります。
余っているグラスに、アクリル絵の具でヒイラギや星を描いて、キャンディやチョコをのせると華やかになります。
飾り付け作りで家族の団らんを
ドアリースもテーマを決め、ベースとなるリースの素材を使って手作りしましょう。たとえば「雪」をイメージして白いリボンとレースでまとめたり、「聖夜」をテーマに金や銀の星のオーナメントを散りばめても素敵です。お子様の部屋には「家族の結晶」をテーマに、アドベントカレンダーを手作りして飾ってみませんか。木の板やボール紙などを適当な大きさや形にカットして、お子様と一緒に絵と数字を描くと、家族合作による特別なカレンダーのできあがりです。
家族みんなで、クリスマスのイメージを話し合い、絵にしたり飾りつけたりする時間は楽しいものです。今年のクリスマスを自由な発想とアイデアで楽しんでみましょう。
ドアにリースを飾ると、住む人の温かさが伝わってきます。今年のテーマを決めて作ってみましょう。
家族でつくるクリスマス飾りのヒント
世界の国々には、古くから伝えられたクリスマス飾りが数多くあります。人形やオーナメントからは、素材を活かした手作りの温かさや楽しさがあふれてきます。我が家でつくるクリスマス飾りのヒントにしてみませんか。
ドイツの伝統的な工芸品で、ツリーやサンタなど小さな木の組み合わせで作られています。ネジを巻くと、人形を乗せたテーブルが廻りはじめ、美しい音色が聴こえてきます。
アメリカで作られた、トナカイの背に乗って手綱を引いている、珍しいサンタです。西部劇に出てくるような乗馬スタイルがユニークです。
イタリア製のサンタクロースのオルゴールです。ネジを巻くと、丸い形をしたサンタの上部だけがクルクル回転しながらクリスマスソングを奏でます。
麦わらで作られた雪の結晶です。ドイツでは収穫後の麦わらを使って、さまざまな雪の形のオーナメントにします。ツリーのグリーンに麦わらの色合いが光のように輝きます。
麦わらを使ったフィンランドの代表的な工芸品です。12世紀の頃から作られ始めたといわれ、代表的な形には、正八面体に編んだモビールがあり、窓辺やツリーに飾ります。
ドイツで作られた木製のサンタクロースです。中は香炉になっていて、香の煙りがパイプをくわえた口から出てきます。パーティで盛り上がるクリスマスグッズです。
いよいよ年末の大イベント・クリスマスがやってきます。楽しいクリスマスを迎えるために、12月に入ったら飾り付けを手づくりしてみましょう。クリスマスがますます楽しみになりますよ。
リースの"輪"をテーマに、フェルトや木の実、貝殻ウールなどなど、さまざまな素材を使ったリースのデザインを紹介。「リースって、こんなに手軽に楽しめるんだ」「こんなリースもアリなんだ」ということがよくわかる一冊。読めばリースづくりにチャレンジしたくなるはず。
雄鶏社
定価:1,050円(税込)
「おりがみ」ができるのは、正方形の紙だけ? いいえ! 長方形の紙を使うと、もっと楽しく、複雑な形が簡単に作れます。主にA4サイズのコピー用紙から折った30種の作例を、丁寧な折り図とともに紹介。大きな白い紙でつくれば、ちょっとしたクリスマス飾りにもなります。
日貿出版社
笠原邦彦(著)
1,470円(税込)